しばらくモルモットの写真を置いておきます。
要旨:作業療法において,支援の対象者の価値は考慮すべき重要な要因である.一方で,人は不安が強い場合に,本来自分が価値を置きたい行動とは異なり,不安を回避するための行動を選択しがちである.
本事例報告では,社交不安症患者に対する認知行動療法を用いた面接を実施した.その過程において,患者と価値について検討を行い,加えて,価値に沿った行動の実践を促したことにより社交不安症状が改善する結果となった.結果から,支援の対象となる者の価値を支える支援を目指すこと,また,そのことを実施するタイミングも重要であることが示唆された.3)SADに対する介入#8-16
A氏は,セルフヘルプ用のCBTの本も学習し治療に積極的であった.まずは,対人面の不安と症状の関係について心理教育を実施した(#8).次に,Clark&Wells7)の認知行動モデルを参考に作成した図1bを基に,A氏の対人面での不安を再度整理した.つまり,A氏は,社交場面において(状況),「ミスしたら拒絶される」などの考えが生起し(思考),他者から見える自分(変な人かどうか)に意識が向き(自己注目),思考上のリハーサル,人の目を見ないなどの行動をとっていた(安全確保行動).これらの行動は,否定的評価を回避できる一方で(短期的結果;負の強化),その繰り返しが更に不安を強めていた(長期的結果).また,人から避けられる事態を回避することが行動の指針となっていた.A氏と以上のような症状維持の仕組みを共有した後に,過剰な自己注目を切り替える練習(注意シフトトレーニング)を実施(#9-11),さらに,自己イメージの修正を目的にビデオフィードバックを提案した(#10).しかし,A氏は高校生の頃から写真に自分が映ることを回避しており,「みっともない自分を認めるのが怖い」と苦痛を述べた.そこで,再度不安が維持される仕組みについて説明し,現状維持と変化することの損得分析による心理教育を行った.これらを経て,#12にA氏からビデオフィードバックに挑戦し,安全確保行動をとらずに話す自分を見て,A氏は「変ではない」と評価ができた.この頃,A氏は転職面接に合格し仕事を開始した.#13-16は,行動計画とその実行によって思考を検討する行動実験を取り入れた.例えば,職場で人に頼み事をする行動などを通して,A氏は自分が考えるほど他者は自分を気にしていないという実感を強めることができてきた.4)価値の検討とフォローアップ#17-24
A氏とこれまでの面接内容を振り返る中で,他者に対する不安感の背景に,「私は価値がない」といった中核的な信念(スキーマ)の存在が共有された.このスキーマが過剰に他者に合わせる行動を引き起こし,加えて,様々な出来事の原因を「自分に価値がない」ことに帰属させていた.そこで,以降は,自身にとって「価値ある行動」とは何かを探し,そしてその行動を増やすことを目指した.まず,スキーマの形成に関しては,両親との関係,学生時代の経験から,「私の言動は人を不愉快にさせる」という認識が発見された.その認識の妥当性の再検討により,A氏は「相手の気分に対して責任を持つ必要はない」と述べることができた.また,他者の意見の聞きとりによって認知的修正を目指す「世論調査法」を用いて,「要求に応じられない人は価値がない」という考えや,「人の価値」について,セッション内外にて,周囲の人から意見を聴取した.これらを通して,A氏のスキーマに対する確信が弱まり始め,#19においてA氏は,自分自身にとって価値のある事柄として「人の役に立つこと」「自分の気持ちに従って生きる」ことを挙げた.A氏と「自分を大切に」をスローガンにすることを確認し,それを実現する行動の実践を促した.その後,自分の考えを伝える,無理な依頼は断るといった行動の選択が可能となった.この頃には,職場での適応も安定しており,終結へと向かうこととした.#22ではこれまでを振り返り,「今までなら恥ずかしいと思って言えなかったことをいっぱい言った」「ずっと生きていて辛いと思っていたけど,そんなに思わなくなった」「駄目だなと思っても,死ぬほど駄目と思わなくなった」と変化を述べられ,心理検査でも改善が認められた(図2).その後,1ヶ月後(#23),および3ヵ月後(#24)にフォローアップを行い終結となった.
内気と不安を軽くする練習帳 (原書名:Overcoming shyness and social phobia)
社交不安の認知行動療法について、非常に丁寧に書かれている本。
「練習帳」の名の通り、社会不安を克服するためには地道なトレーニングが必要ですが、ひとつひとつ章立てて書かれているので、段階的にステップを登っていけます。自分の思考や行動を記録していくやり方の説明も明確でわかりやすく、具体的・実用的で、読むと励まされる本です。
人前で話すのが苦手、緊張して上がってしまう、自然に人付き合いができず、社交をつい避けてしまうという状態は「社交不安障害」と呼ばれる。もっとも頻度の高い精神的な困りごとの一つで、有病率は一割を超える。しかし、自分を縛る不安の正体を知って、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能だ。実際にカウンセリングセンターで使われるプログラムを紹介しながら、克服の方法を実践解説。
対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか
具体的な治療法、不安にとらわれるメカニズムの解説などを解説した、SAD治療の入門書的な本。
わたしは数年前にこの本を読んだことがきっかけで治療につながれました。
ではでは![]()






