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―… ゆきえの気まぐれBlog です。…―

骨髄バンクドナー体験記「提供しちゃいました(仮)。」



≪Vol.7 心の向こう側 : 予想外?の関門≫




前回のブログから日が空きすぎました。原因・・・


ピグライフやりすぎ( ̄Д ̄;;





ドナー選定通知が届いた翌日の夜、Sさんから電話がありました。



今までは、「少しでも早くお知らせを」と配慮してか、文書よりも早くフライングで連絡を頂くことがほとんどだったので、珍しい展開。新年早々だったから、さすがのSさんも出遅れたのか、はたまたバンクが早かったのか。


Sさん: 「お知らせ、届きましたか?」


私: 「はい。来ちゃいましたねぇ~~」


ひとしきりしゃべった後、Sさんからの連絡としては、このまま進めて良いかと言う事と、面談についての調整。母を同席させる事、希望の日程についてはこれから母と相談する事、この辺を伝えました。


あと、確かこの連絡辺りで聞かれた気がするんだけど、迅速コースということもあってか、最終同意前での相談になったのが、「採取施設についての希望はないか?」ということ。


他のドナーさんの場合はどうなのかわかりませんが、都内の採取施設だと、早い日程では調整が難しいらしく、患者さんの移植希望時期に採取を受けてくれる病院がないと、時期をずらす(遅らせる)か、または近県の病院へ(要は遠方まで)行く事になるかも知れないのです。なので、最終同意を得られるという前提で、先に採取施設を決めておくようです。(通常は、最終同意が得られたのを確認してから、採取施設の選定に入ります。)


この辺については色々思うところがあって、一応考えていた希望を伝えておきました。



面談は早くて2週間後くらい、との事だったので、母へ連絡して、その辺の週で都合の良し悪しを聞きました。時間は、おそらく午後2時以降とか(確認検査より遅いくらい)な感じであると予想。面談の日は、午後に有休をとって迎えに行くことにしていました。実家から病院(=勤務先)までは電車で直通だけど、距離があるのと、近いけど駅からの道順がややこしいので、初めて来る母には難しいと思って。



母から聞いた希望を、後日Sさんに伝えました。で、その後細かい調整もしつつ、日程が決まりました。



そして、ドナー選定通知が来てから約10日後、大きな封筒が届きました。今まで通知で来ていた淡い黄色の封筒で、A4サイズバージョン。



「最終同意 面談日のご案内」



でした。日時、場所、担当調整医師、コーディネーターが記されています。

注意書きとして、本人と同席する家族で別の印鑑を持ってくる事(同性だからと同じ印章はNG)、適合通知に同封されていた冊子を持参する事、交通費は面談時に請求を、と記載されていました。


この一枚だけです。何でA4だったんだろう……



その後、事件発生。



当日の細かいスケジュールを相談するため、再び母に連絡。面談時間が割と遅めになったこともあり、実家の最寄駅まで出迎えに行く事にしました。なので、「実家の最寄駅に何時に迎えに行って~」というような具体的なスケジュールから話していたのですが……



段々、電話口の母の様子がスッキリしなくなりました。



次に、「こんな感じで面談が進むよ~」って話をしていて、「説明を聞いて、最後に首を縦に振って、サインすればおしまい」と、家族が面談で行う事を平たく解釈したのですが、ついに母がこんなことを言い出しました。



「う~ん、何かその場で説明聞いて、ハイって賛成できる自信がないなぁ。頭では同意していても、面談行って説明聞いちゃったら、自分で何を言い出すかわからないし、そうなるとやっぱ同意できなくなるなぁ」




ハイ? 今何と???





まさかの事態発生です。



・・・これはマズイ。




いざドナー選定されたとたん、家族が同意を翻してコーディネートが流れたとか、説得するのに苦労したとか、体験談で数多く聞いていました。でも、まさか自分の身に降りかかるなんて、本当に考えもしませんでした。だって、一応は賛成していたから。


本当に起こるんだ、こんな事・・・・・・。内心、ヒヤヒヤしていました。


ただ、母が何と言おうと、私の意思が変わることはありません。変えるつもりもありませんでした。

その意思表示をしないと、と考えました。ゴリ押しのような説得をするのではなくて、とにかくこちらは提供することに何の迷いもないよって事を、母自身にわかってもらうしかありません。


だから、母が「万が一副作用とか起きたら・・・」と心配しても、「そうかも知れないけど~」とあまり同調せず、「そんな低い確率、心配なんかしていない。」とキッパリ。


少しでもこちらが弱気になったら、言葉は悪いけどきっと丸め込まれてしまう、そう思ったから。毅然とした態度をアピールしないと。


「自分は現場を見たこともあるからだいたいやる事はわかるし、先生たちはドナーに何かがあってニュースにでもなろうものなら病院全体の信用にかかわるから、ちゃんとしてくれる。骨髄採取はどこの病院でもできる訳じゃなくて、ちゃんとある程度回数もこなして認められた所だけしか出来ないから」


大体、こんな内容の事を言った気がします。


ただ、「私が断ったら、移植を待ってる患者さんが……」とか、感情を持ち出す事はしませんでした。そうすると、母が感情的になってしまい、収拾がつかなくなると思ったから。





母は、私の意思が固いことはよくわかってくれたようでした。医療従事者である本人が、医学的なことについては誰よりも一番理解しているだろう、と。きっと心配であることには違いないけれど、提供自体には同意してくれたみたいです。

ただ、頭ではわかっていても、実際に面談で何を言い出すかわからないから・・・と、面談には父に来てもらうことにしました。母の体調が良くなさそうだけど、日程が決まっているから、もし行けるなら代わりに行ってもらえないか、と。


父は、母が良いというのであれば、という意向の様でした。決まっていた日程で、仕事は休みを取ってくれると言う事になりました。感謝です。


しかし、またひとつ問題が。


「父」といっても、実は母は再婚しており、今言った父は私の「実父」ではありません。おまけに、再婚時は同居こそしていましたが、苗字が変わるのがイヤで養子縁組をしなかったため、「私」と「父」の続柄を問われると、「養父」でもなく、「母の夫」という関係になるのです。


これを、骨髄バンクが「家族」として認めてくれるかどうかが問題でした。もしアウトなら、状況は厳しくなります。あと、家族としては弟がいますが、自営業のため、とても休みを取ってまで来てくれるとは思えない(多分手間賃取られる^^;)のと、しばらく会っていないから、実は骨髄バンクの事も一切話していないので、説明も大変だし、同意をしてくれるかの見当もつかず・・・。


骨髄バンクに、面談に同席する家族が変わる事と、その家族が戸籍上の関係がない事、これを連絡しなければならないのですが、本当の事情は言えません。母の同意が認められない、と解釈されてしまうと思ったからです。(ここに書いちゃってイイものか、とも思うけれど・・・まぁ時効って事で。)


面談日の数日前、Sさんに連絡をしました。確か、週末だった気がします。「何かあったらいつでも連絡して良いですよ」と言ってくれていたので、この時はお言葉に甘えました。こちらから連絡を入れたのは、この時限りだった気がします。


母が体調を崩してしまい、予定の日に行けそうにない事、代わりに父が行く事が出来るが、戸籍上は直接繋がりはない事、弟に関してはどうしても都合がつかない事。

当然、Sさんが判断出来る事ではないので、翌日にバンクへ連絡してもらい、返事を待つことになりました。


これでアウトだったら、少なくとも面談は延期です。母の体調回復を待つとか、弟同席で再度日程調整を、なんて言われたら、ほぼ不可能なのでコーディネート終了・・・。



Sさんからの連絡は翌日だったか、すぐに来ました。いろいろ心配したけれど、バンクとしては事実上の「父」と言う事で、問題ないとの事でした。



ひと安心です。いろんな人に迷惑をかけてしまいましたが、両親には感謝、感謝です。



家族の同意って、こんなに難しいんだなぁと思い知ることができました。