今日はアメリカ共和党大会の一日目。いよいよドナルド・トランプが正式に共和党の大統領候補になるのだ。まずはTVリアリティショーのDuck Dinastyのウィリーが応援演説をしたのに笑う。Duck Dinastyは私も好きなリアリティショーで、中でも社長で働き過ぎのウィリーがお気に入りなのだが、NY育ちの大金持ちトランプ支持とはいったいどうしてしまったのか。
会場はお祭り騒ぎ。カリフォルニアでは普段見かけないような種類の人々がトランプ応援に我を忘れている。今日は一日目なので応援演説と言っても前座的な人ばかり。かなり多くの人が軍関係者。Kaivin Clainの下着モデルをしていた元男性モデルなども出てきて面白い。テーマはヒラリーは悪人で嘘つきである、トランプはアメリカを安全にしてくれるといったもの。何の根拠もないのだが。Make America Great Againというスローガンも繰り返される。
アメリカに住んではいるものの、個人的には私はトランプ支持者が全く理解できない。ロサンゼルスの私の友人・知人の中には表だってトランプ支持する人は一人もいない。バーニー・サンダースのファンだった知人が、ヒラリーに負けたので悔し紛れに「トランプでもヒラリーでも変わらん!」などと言っていたりするが、いざ選挙になったら彼らはヒラリーに投票すると思う。
テレビの画面や解説者の説明から浮かび上がってくるトランプ支持者の特徴は、低学歴、低所得、田舎在住、銃所有者、主に白人というもの。低、低、低が重なり、もはや現在資本主義国家アメリカで勝ち目のない人たちだ。以前のブログにも書いたが、外国から流入してくる人たちは有色人種であってもアメリカに希望を託していて「今貧しくても頑張れば何とかなる」と思っているので心理的には勝ち組。これに反して主流トランプ支持者はたぶん「どう頑張っても勝てない」と思っている負け組なのだ。黒人グループは「このままでは勝てないかも。だからシステムを変えていこう」という感じで、一応負け組なのかもしれないが、かつての悲惨な環境からここまで状況改善してきた自負があり、希望もあると思う。しかもトランプ支持者に人種差別者が多いことから、黒人がトランプ支持に回ることはほぼ絶対にない。ということで、トランプ支持者はやはり白人の負け組中心になっている。
アメリカは現在、世界経済の中では独り勝ちの状況。問題はあっても安定的に発展しているし、基本的には大きな問題はない国だと思う。現在十分Greatな国のであって、何も今更Great Againなどと言って変える必要はない・・・と思うのは中流以上、あるいは近未来に中流以上になれる思っているアメリカ人だけなのかもしれない。負け組の人にとっては全然Greatな国ではないのだ。
カリフォルニアからほとんど出たことがない私には、田舎の州に住んでいる未来に希望のない人たちの生活や考え方は想像できない。テレビに目を凝らしても、やっぱり分からない。リアリティショーのHoney boo boo childみたいなんだろうか。
トランプの発言は矛盾だらけで、事実に即していない場合が多い。しかもいじめっ子の中学生が嫌いな同級生のあだ名を連呼するのとそっくりに、対立候補ごとに決めた悪口をどこでもいつでも何回でも繰り返す。ひねくれヒラリー、低エネルギージェブ・ブッシュ、嘘つきテッド・クルーズといった具合。テレビのトーキングヘッドは「こんなのに何で支持者があつまるのか」と首をかしげる。メディアに登場する人も、政治学の学者も、新聞の記者もみんな大学出でたぶん「こちら側」の人たちだから、彼らにはその理由が分からないのだろう。
そんな負け組の人々の気持ちを、ニューヨークのど真ん中のトランプタワーに住む大金持ちのドナルド・トランプが掌握した、というのは考えてみればすごいことだ。Art of Dealsの著者だけのことはある。不動産セールスを含むセールスの極意は、一瞬にして相手の立場に身を置き、相手の気持ちをつかむことだと思うが、ドナルド・トランプはやはりセールスの天才なのかもしれない。