ヘリコバクター・ピロリ菌
胃の中に住みついて悪さをする細菌『ヘリコバクター・ピロリ菌』。
胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因と考えられています。
■ピロリ菌の特徴
ピロリ菌の大きさは約4ミクロン(1ミクロン=1/1000㎜)。
胃の中は、胃酸のため強い酸性状態ですが、胃の粘液の下にもぐりこんで
胃酸から逃れています。
また、べん毛を回転させて移動します。
その速さは人間でいうと100mを5.5秒で泳ぐスピード!しかもバックもできます。
■発展途上国で高い感染率
ピロリ菌の感染率は、発展途上国で高く、先進国で低い結果となっています。
特に上下水道の普及率が悪い所では高く、感染率は衛生環境に左右されます。
■40代以上の方は要注意!
先進国でのピロリ菌感染率が低い中、日本人の感染率は先進国の中で際立って高く、40歳以上の70~80%がピロリ菌に感染しているといわれています。
原因は戦後の不衛生な環境が原因といわれており、逆に良い衛生環境で育った若い世代(10~20代)の罹患率は非常に低い結果となっています。
■感染ルート
感染源は明らかになっていませんが、口から感染すると考えられています。
● 口から口への感染
● 飲料水からの感染
● 糞便から口への感染
● ハエやネコなど動物を媒体にした感染
■疾病との関係
胃炎 発生確率…ほぼ100%
ピロリ菌に感染した、ほぼ100%の人が軽い胃炎にかかります。
その症状は、少し胸がムカムカしたり、多少痛みがあったりと軽いものですが、
数%の人に激痛を伴う急性胃粘膜病変が発症します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 発生確率…2~5%
潰瘍のほとんどは薬剤治療で治りますが、ピロリ菌陽性者の場合は再発するケースが多く、除菌治療が勧められています。除菌治療により、約90%の人がピロリ菌陰性となり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を抑えられます。
胃がん 発生確率…0.5%以下
たった0.5%以下と思うかもしれませんが、胃がん患者からみた場合90%以上の人がピロリ菌陽性者です。さらに、ピロリ菌陽性者は陰性者の6~22倍の頻度でがんを発症するといわれていて、1994年にはWHOがピロリ菌を胃がんの発がん因子と指定しています。
■ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌は薬によって除菌することができます。
除菌に成功すると…
「何度も再発していた潰瘍が治った!」
「潰瘍が治った後の再発予防のための薬が不要になった!」などの効果があります。
■除菌治療の注意点
除菌治療の薬は、医師の指示通り最後まで飲み続けることがとても大切。
中途半端でやめると、ピロリ菌が薬に対して耐性をもち、次に除菌しようと思っても薬が効かなくなる恐れがあります。
また、ピロリ菌が検出されても、必ずしも除菌治療を行うわけではありません。人によって、10~30%前後の割合で薬による副作用が出ることがあります。治療は主治医とよく相談し、副作用が出た場合には必ず相談しましょう。







