私のアクセサリーBOXの一番右端にある一つのブレスレット。
私は、研修医2年目の時に、Sさんという患者さんを担当しました。
Sさんは当時40歳前後の女性で、私は20代後半だったので、私より年上でしたが
小柄で、色白で少しクセのある茶色の髪で、「少女」のような雰囲気を持った方でした。
Sさんは膠原病の難病を抱えていて、ずっとベッド上で過ごしていました。
動けないストレスもあったのかもしれないけど、少し気難しい所もあった方でした。
なので、合わない研修医もいたけど、私は割とSさんが好きで、診察時によくおしゃべりをしていました。
「Sさんが『○○先生(私の事)が一番優しい』って言ってましたよ!」
と看護師さんに教えてもらったりして、嬉しかった
Sさんは、動けないので、よくベッド上で手芸をしていました。
とってもセンスが良い人でした。
ある日、Sさんが「先生にプレゼント」と言って、くれたのが、このブレスレット。
それから、しばらくたって、私の2年目の研修の終わりごろ、Sさんはお亡くなりになりました。
それからも、私は仕事で忙しかったので、Sさんの事を普段は忘れていました。
でも何年もたったある日、突然Sさんの事を思い出す日が来たのです。
それは、私が第3子を妊娠した時のこと。
上の二人は、男の子だったのですが、第3子は女の子だと分かった頃、
ある日の夕方、ふと「もしかしたら、、、このおなかの女の子はSさんの生まれ変わりなのでは?」と
急に頭に浮かんだのです。
それから、特に問題なく妊娠は経過して、
出産する日が決ました。
で、どうだったかというと、、、
出産する時は、そんな事は全く考えられませんでした
出産は大変だし、目の前にいるのは、ただ可愛い我が子なので
その後も娘はスクスク成長しています もう生まれ変わりとか、そういう事はよく分かりません
でも、もし生まれ変わりがあるのなら、今度はSさんには、思い切り好きな事を楽しんで欲しいなと思います。
私は、使わなくなった物とか、どんどん捨ててしまうタイプだけど
このブレスレットは、これからも私のアクセサリーBOXにずっとあると思う。
捨てられるわけ、ないよね