白露や死んでゆく日も帯締めて  三橋鷹女

 

 

 露は秋に降りることが多いので、秋の季語ですが、掲句の場合は秋よりも終焉の冬を想像してしまいます。生の終わりにも帯を締め、美しく死にたいという女性の心を詠っています。帯は女性の象徴なのですね。前衛的で、なかなかこうは詠めないと思います。

 写真の女性は、若く可愛らしく、そして華やかです。自由で大胆。とても孤独や死、生の哀しみとは無縁のように思えます。でも生と死は対の関係ですからね。分かりません。