ほどほどに老いて紅葉の山歩き  能村登四郎

 

 

 外国の方が日本に来て感激するものの一つは、紅葉のようです。日本人は紅葉を独立した美として捉え、古来より紅葉狩にでかけたり、庭の紅葉を愛でてきました。生き切ったものの美学ともいうべき紅葉。やがて落葉して土に帰っていくという生の極限の姿に美を見いだしてきた日本人の特殊性がここにあると思います。