百年の軒のあやめの薫りかな


 実家は、昔昔は茅葺屋根の民家でした。今は新築した家ですので、庭の一部を除いて昔の面影はありません。覚えているのは、庭の一角にある池の端に毎年菖蒲が咲き、こどもの日には父が菖蒲の葉をいっぱい切って、お風呂に入れておいてくれるのでした。その感触や匂いは、今でも身体が覚えているようです。でも、どういうわけか、父亡きあと、この菖蒲は絶えてしまいました。今日は、八百屋さんで買った菖蒲を入れて、菖蒲湯を楽しみます。菖蒲は邪気を払うというので、昔は菖蒲を軒の屋根に葺く習慣があったようです。今も廃れていない風習は菖蒲湯くらいでしょうか。そうそう、端午の節句には柏餅は外せません。これから濃いお茶を入れていただきます。