中学受験の世界に足を踏み入れると、大切なことを忘れてしまいそうになります。
子どもが小さいときには、
「ただ健やかに育ってくれさえすれば」
そう思っていたのが、
「なぜこんなことができないのだろう」
と、我が子を不甲斐なく思うようになります。
それはなぜかというと、中学受験の世界では、テストが頻繁に行われ、その度に、我が子の学習到達度を確認することになるからです。
この世界にさえ足を踏み入れなければ、我が子の不甲斐なさを切実に感じることもなく、平和に暮らせたのかもしれない。
そう思う方は、
「もう中学受験などやめてしまおう」
とすっぱり中学受験と決別します。
そうでない方は、毎日のように我が子を不甲斐なく思ったり、そう思ってしまう自分に自己嫌悪したりして、日々過ごすことになります。
どちらも、残念ですね。
どちらも、気持ちの持ち方が間違っていると思います。
そもそも、中学受験とは底無し沼のようなものです。
多少頑張って成績をあげたところで、上には上がいくらでもいて、頂点に上り詰めるのは至難の技。
その頂点にいる子達はといえば、
どうしてこんな難問をいとも簡単に解いてしまうの?
と感じてしまうくらいの驚くべき才能の持ち主ばかり。
ここまで話すと、
「いやいや、そこまでの高望みはしていませんよ」
とおっしゃる声が聞こえてきそうです。
それでは、その方にお尋ねします。
「せめて偏差値50くらいなら何とかなるのでは?」
と、思っていらっしゃいませんか?
中学受験の偏差値50は、高校受験の偏差値60~65に匹敵します。
何故かというと、偏差値の母集団が、その学年の子供たち全員ではなく、中学受験を目指して早くから準備している子供たちだけだからです。
偏差値というのは相対評価ですから、母集団そのもののレベルが高くても、その中で下位なら偏差値は低く出ます。
なので、中学受験の偏差値50をとるのは、なかなか大変なことなのです。
ご両親様は、そういう部分をすべて理解された上で、お子さんの成績を評価なければなりません。
我が子の成績が思うように伸びないからといって、あきらめてしまったり、親子関係が悪くなるほど小言を言ったりするのはやめましょう。
一番大切なのは、子供たちが将来、個性をいかし、自分のいきる道を見つけて、ひとりだちしていくことです
そのために中学受験での成功は必須ではありません。
つまり、どこの中学に通うかというのはそれほど重要ではありません。
大切なのは、日々、楽しく充実した学校生活を送り、少しずつ自分の進む道に気付き、努力をしていくことです。
子供には一人一人違ったペースがあります。
どんなに勉強してもテストで良い点がとれないのはその具体例です。
小学生のうちは、子どものペースを理解し、今できる最高の努力をさせ、結果はどんなものでも受け入れましょう。
それが、正しい中学受験との向き合い方だと思います。