労働衛生コンサルタント試験の中でも、口述試験の合格率が極めて低いことはよく知られています。
そして、この口述試験の難しさは、「産業医であれば有利」という単純な話ではありません。
実際には、産業医が受験した場合でも、口述試験の合格率は低いというのが現実です。

「医師=合格しやすい」という誤解
労働衛生分野に詳しい方ほど、次のように考えがちです。
・医師資格を持っている
・産業医としての実務経験がある
・健康管理、面談、就業判定に慣れている
一見すると、口述試験では有利なのではと思われがちです。
しかし、実際の口述試験では評価軸が大きく異なります。
口述試験で見られているのは「産業医としての判断」ではない
労働衛生コンサルタントの口述試験で評価されているのは、
・医学的に正しいか
・健康影響の説明ができるか
といった点だけではありません。
それ以上に、次の能力が問われます。
・法令に基づいた技術的判断
・作業環境、作業管理を含めた総合的対策立案
・事業者に対する具体的で実行可能な提案力
ここは、産業医の日常業務とは評価の重心が異なる部分です。
産業医が口述試験で苦戦しやすい理由
1.医学的説明に寄りすぎる
産業医は職業柄、
・病態
・生理学的影響
・健康管理区分
といった医学的観点を中心に説明しがちです。
しかし口述試験では、
・工学的対策
・作業環境管理の優先順位
・設備改善や管理的対策
まで踏み込めなければ、高評価にはつながりません。
2.法令説明が抽象的になりやすい
産業医業務では、
・法令の趣旨
・安全配慮義務
といった説明で足りる場面が多くあります。
一方、口述試験では、
・どの法令の
・どの条文に基づき
・実務として何を行うのか
を簡潔に言語化できるかが問われます。
3.技術的判断の即答性が求められる
口述試験では、
・作業環境測定結果の評価
・管理区分に応じた対応
・リスク低減措置の優先順位
を、短時間で判断し説明する必要があります。
これは、時間をかけて検討できる産業医業務とは性質が異なります。
「専門性が高い=合格」ではない試験
ここが、労働衛生コンサルタント口述試験の本質です。
・専門性が高い
・実務経験が豊富
それだけでは合格できません。
試験官が見ているのは、**「労働衛生コンサルタントとして現場を任せられるか」**という一点です。
そのため、産業医であっても、
・回答が長くなる
・視点が医学側に偏る
・結論が曖昧になる
と、不合格となるケースは決して珍しくありません。
合格率が低いのは「産業医に不利」だからではない
誤解してはいけないのは、この試験が産業医を排除しているわけではないという点です。
・評価基準が異なる
・求められる役割が異なる
ただそれだけの話です。
役割が違えば、準備の方向性も変える必要があります。
まとめ:産業医であっても、口述試験は別対策が必須
労働衛生コンサルタントの口述試験は、
・医師資格
・産業医経験
だけで突破できる試験ではありません。
産業医であっても、労働衛生コンサルタントとしての思考様式に切り替えた対策が不可欠です。
筆記試験を突破した方、産業医として口述試験に臨む方は、
「自分は有利だ」と考えるのではなく、役割の違いを理解した準備ができているかを、ぜひ一度振り返ってみてください。
YS技術研究所より
YS技術研究所では、産業医受験者にも対応した労働衛生コンサルタント口述試験対策を行っています。
・試験官視点での評価ポイント整理
・回答構成の矯正
・医学寄りになりすぎない実務回答指導
本気で資格取得を目指す人を応援します!!
※労働安全コンサルタントHP
https://ys-technology.com/occupationalsafety
※労働衛生コンサルタントHP
https://ys-technology.com/occupationalhealth