東名高速
F川楽座の裏山を
4輪でひたすら上り
N田山キャンプ場に
着いた我々一行。


オンシーズンだけど
平日の真夜中、
ローカルキャンプ場は
誰1人居ない。



車を停めて
しばし辺りを散策…
と言っても
照明が点いてないので
ヘッドライトの照らす
範囲内だけ。


誰1人居ないっつーか
こんな
山のてっぺんにある
キャンプ場に
1人で泊まる方が怖い。


気味が悪くなり
早々に退散。
帰りは来た道とは
逆のルートで
下山するコトに…


舗装こそされているが
乗用車同士が
やっとすれ違える
山の中の
細いクネクネ道…


当然、
民家も街灯も無く
ふざけて
ヘッドライトを消すと
一寸先も見えない闇…


オレは友人の車の
助手席に座り、
いつもの調子で
ふざけていたんだけど
しばらく下った
右コーナー、
かなり回り込んだ
いわゆる、
“ヘアピンカーブ”
を曲がってる時、
カーブの先に移動する
ヘッドライトに
ランドセルを背負った
男の子が映し出された!


『あっぶねーなガキ!』



慌てて
ハンドルを切りながら
毒づく友人。
後続も同じように
ハンドルを切った様で
後ろからの光が
激しく揺れた。


こんなトコで
事故ったら
シャレにならんな~
などと笑っていたが…



…ちょっと待て、
いや、待つな…



かなり下って
ようやく道も広がり
街灯もある場所に
出たので車を停めて
みんなで意見交換…



おそらく
小学校低学年と
思われる背格好の
あの少年は
こんな真夜中に
何処に向かってるんだ?



今来た道には
民家など無く
頂上のキャンプ場も
無人だった…



それ以前に
懐中電灯も持たずに
あの暗闇を歩けるか?


様々な意見が出た。


ホントなら
保護しに戻らなければ
いけないパターンだが
それを言い出す者は
1人もいなかった。



あえて口には
しなかったが
あの少年に対する
みんなの見識は
同じだったようで
口々に
『怖い怖い…』
などと言いながら
車に乗り込み
逃げるように
帰宅しました…


10年くらい前の
ハナシですが
あれから
N田山キャンプ場には
1度も行ってない…



いや、
1度行こうとしたけど
怖くて引き返したんだ…
昼間だったのに(笑)。