レースで事故死の19歳富沢選手の死を惜しむ声相次ぐ

 イタリアで5日に行われたオートバイの世界選手権シリーズ、サンマリノ・グランプリ(GP)モト2クラス(600CC)に出場していた富沢祥也選手が決勝レース中の事故により、19歳でこの世を去った。

 富沢選手はモト2クラス(モトGPクラスの下位カテゴリー)の今季開幕戦、カタールGPで初優勝した有望ライダー。同シリーズのレース中の事故による死亡は2003年日本GPの加藤大治郎さん=当時(26)=以来で、この悲劇を公式ホームページはトップで伝え、早すぎる死を惜しむライダー仲間らからの声も相次いだ。

 「これから輝かしいキャリアを送るはずだったのに…」。最高峰モトGPクラス(800CC)昨季総合王者のバレンティーノ・ロッシ(イタリア)は沈痛な面持ち。同クラスの日本のエース、青山博一は悲報を知り「そうですか…」とぽつり。事故が起こったレースを制したトニ・エリアス(スペイン)は「勝ったことなんてどうでもいい」とうちひしがれた。

 現地取材していたモータージャーナリストの西村章さんは「高速コーナーで転倒した祥也を後続2台が避けられずにはねた。不運な事故だった」と落ち込んでいた。

 千葉県出身。3歳でポケットバイクと出会い、国内レースを経て、09年に世界へ飛び出していった若きホープ。栃木県茂木町のツインリンクもてぎで開催される第14戦の日本GP(10月3日決勝)の舞台に凱旋するはずだった。 (共同)