ゴシップROCK★吉原ニューハッスル


 昭和世代になじみ深い人気アニメ「昆虫物語みなしごハッチ」が誕生40周年を迎える来年、映画化されることが分かった。


“ハッチ”の映画化は初めてとなる。「昆虫物語みつばちハッチ~勇気のメロディ」と題名を変え、米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の脚本家小山薫堂氏(45)が総合プロデュース。「おくりびと」で世界を感動に誘った作家が、新たな命を吹き込む感動アニメとなりそうだ。松竹配給で7月31日に公開される。



 同映画は、ミツバチの子・ハッチが生き別れになった母や仲間を捜し旅をする物語をそのままに、映画版のオリジナルキャラクターとなる少女・アミィを登場させ、人間との交流も描くなどテレビアニメとは異なる新たなストーリーを加える。



 テレビ版の「みなしごハッチ」は、1970年4月の放送開始から日本中の子どもたちの心をとらえ、71年12月まで91話が放送された。さらに続編、89年にはリメーク版が作られ、世代を超えて愛されてきた。



 自然破壊など海外でも共感を呼ぶテーマであることから、ぜひ映画化したいと考えていたのが映画プロデューサーの中沢敏明氏(62)。昨今、ミツバチ不足による農作物や食生活への影響が報道されるようになったことから、「今しかない」と決断。「おくりびと」でタッグを組み、感動作に仕立てた小山氏に総合プロデュースを依頼した。



 小山氏は「どう料理すれば、子どもから大人までオモシロく見られる映画になるのか」と、当時の映像をひっぱり出して思案したという。「映画では虫の視点を大切に、虫たちの代弁者の女の子(アミィ)が虫を守る姿に共感することで、見る人が優しい気持ちになってくれれば」と願う。



 また、中沢プロデューサーは「親子や友だちのきずなを描いて大ヒットした映画『ファインディング・ニモ』のミツバチ版ともいえる作品を目指す」と意気込む。



 監督はアニメ作品で定評のあるアミノテツロ氏。


声優は今後発表される。



 ◆小山薫堂(こやま・くんどう) 1964年6月23日、熊本県生まれ。日大芸術学部在学中の85年に「11PM」で放送作家デビュー。「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」など多くの番組を手掛け、映画では「おくりびと」のほか、公開中の「スノープリンス 禁じられた恋のメロディ」の脚本も担当。ほかにラジオパーソナリティー、小説執筆、ホテル顧問など活動は多岐にわたる。03年、「トリセツ」で国際エミー賞を受賞した。