品川美容外科を捜索 脂肪吸引後に女性死亡 業過致死容疑
「品川美容外科池袋」の家宅捜索に入る捜査員=11日午前9時35分、東京都豊島区南池袋で
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「品川美容外科 池袋」(東京都豊島区、三尾泰司院長)で脂肪吸引の手術を受けた女性が、二日後に自宅で死亡していたことが分かり、警視庁捜査一課は十一日、業務上過失致死の疑いで、池袋院や港区の本院など三カ所を家宅捜索した。院内の現場検証も実施しており、女性が死亡した経緯を調べるとともに、手術に問題がなかったか捜査する方針。
死亡したのは、荒川区町屋七の無職前田京(みやこ)さん(70)。
捜査関係者によると、前田さんは今月二日に池袋院で腹部の脂肪吸引手術を受け、当日に帰宅。嘔吐(おうと)などを繰り返して四日に自宅で死亡した。司法解剖の結果、死因は特定できなかったが、腸管に穴が開くなどしていたという。このため、捜査一課は前田さんのカルテなどを押収して持病の有無などを調べ、執刀医らに過失があった可能性もあるとみて、当時の状況などについて事情を聴く。
品川美容外科の代理人の弁護士によると、前田さんは約一時間の手術後、一時間休憩し、異常が見当たらないとして、二日夕に帰宅した。三日、前田さんが池袋院に「黒い物を吐いた」と連絡。五日に再診療の予定だった。手術には執刀医、麻酔医、介助員二人の計四人が立ち会ったという。
池袋院では一九九九年五月、体臭除去手術を受けた女性が通常量の倍以上の麻酔を注射され、急性薬物中毒で死亡。池袋署は二〇〇〇年十二月、業務上過失致死の疑いで、手術を担当した男性医師を書類送検した。
品川美容外科ホームページによると、同外科は全国に二十一の医院を展開する美容外科大手。脂肪吸引手術は、脂肪細胞を止血効果のある麻酔薬で液状化したうえで、皮下に挿入した細い管で吸引するという。
前田さんの次男(39)は「捜査によって真相を明らかにしてほしい」としている。
品川美容外科
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