JVC・ケンウッドは、音楽ソフト子会社、ビクターエンタテインメントの保有株の過半数を売却する方向でコナミと交渉している。他の音楽ソフト大手などにも売却を打診したとみられるが、現時点ではコナミが最有力候補に浮上している。



 JVC・ケンウッドは、保有株の売却益をAV機器など中核事業の強化に充てる。一方、コナミは、携帯電話向けの配信事業などを展開しており、音楽ソフト事業の買収が実現すればコンテンツ(情報の内容)の強化が期待できる。



 ビクターエンタテインメントは、サザンオールスターズやSMAPなど有名アーティストが多く所属する有力音楽会社。ただ、国内音楽ソフト市場でのビクターのシェアは4位(7%)と伸び悩んでいる。



 JVC・ケンウッドは、昨秋以降の景気悪化で業績が低迷し、平成22年3月期の最終損益が200億円の赤字(前期は187億円の赤字)となる見通し。特に日本ビクターは、欧州などでテレビ事業が不振で業績の落ち込みが深刻で、経営の早期改善が迫られている。