目に光る涙は「清純」なのか-。
覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されてから、41日目に保釈された酒井法子被告(38)は17日夕、東京都内で記者会見を開いた。黒の服を身にまとい、神妙な面持ちで唇をかみしめる姿に、華やかなスポットライトを浴び続けたトップアイドルの面影はなかった。約500人の報道陣の前で、深々と頭を下げた後、
「自分の弱さに負けました」
などと、事件を謝罪した。
酒井被告の会見でのコメントは以下の通り。
「このたびは一社会人として、人として決して手を出してはいけない薬物に手を出し、自分の弱さに負け、そしてこのように世間を騒がせ、多くの方に迷惑をかけ、これまで支え応援してくれた皆様に残念さを感じさせ、無責任な行動に軽蔑なさったことか、計り知れない、許されないことだと思っています」
《時折、言葉を詰まらせながらも、酒井法子被告は、はっきりとした口調で話し続ける》
酒井被告
「この罪の償いを今後どのようにして償っていくか。自分の罪を悔い改め、2度とこのような事件に手を染めることのないよう、一生の誓いとして固く心に誓います。私の犯しましたこの度の出来事は、私を知る皆様の信頼を回復することはできるものでないことはよく分かっています。ですが、日々感じています後悔の念、取り返しの付かないことをしてしまった自分を反省し、もう一度生まれ変わった気持ちで日々努力していきたく思っております」
《酒井被告は嗚咽(おえつ)を漏らしながら、言葉を続けた》
《大きく深呼吸した後、さらに話し続ける酒井法子被告》
酒井被告
「支えてくれた方々に深く感謝しています。二度とこのようなことで皆様の信頼を裏切ることはありません。気持ちを入れ替え、皆様の言葉を私自身、素直に拝聴して、新しい一歩を踏み出していきます。今まで応援してくださったファンの皆様、支えてくれたスタッフの皆様、この度は本当に申し訳ありませんでした」
《続いて、酒井被告の弁護人が話し出した》
榊枝真一弁護士
「酒井法子被告はこのまま、メンタルの治療のため病院に入院することになっています。これを機に、酒井さんや酒井さんの家族の生活を害する過激な報道を差し控えていただきますよう、よろしくお願いいたします。バイクや車に乗って追跡するなどの取材活動は差し控えていただきますようよろしくお願いいたします」
《涙をこらえるようにして、酒井被告は何度も頭を下げた。そのたびに、会場に集まった報道陣のカメラのフラッシュが光る。司会が会見の終了を告げると、酒井被告ら4人が立ち上がり、出口へ向かった。
報道陣からは
「子供さんにおっしゃりたいことは?」
「薬物依存症状はありませんか?」
などの質問が矢継ぎ早に飛んだが、酒井被告はうつむいたまま会場を後にし、入院先となる病院に向かった》
《酒井法子被告の会見に先立ち、所属していたサンミュージックの相沢正久副社長(60)と、契約を解除したビクターエンタテインメントの三枝照夫会長(58)が、同じ席上で会見した》
相沢副社長
「本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。元弊社所属タレント、酒井法子が本日、保釈されました。関係各位様、ならびに海外のファンの方々、ご心配とご迷惑をおかけしたすべての皆様に、酒井法子本人から謝罪させていただく場を設けさせていただき、世間をお騒がせしましたことを改めて深くおわび申し上げます。いろいろご質問があると思いますが、10月26日に初公判を控えておりますので、質疑応答は控えさせていただきます。よろしくお願いいたします」
三枝会長
「本日、弊社の元専属アーティストであり、覚せい剤取締法違反罪で起訴された酒井法子が釈放されました。1987年のデビュー以来、20年以上にわたり、酒井法子、そしてサンミュージック様と苦楽をともにして同じ道を歩んできたレコード会社として同席させていただきます」
「酒井法子のこの度の件により、ファンの皆様を失望させてしまい、弊社として契約解除までいたってしまったことは、非常に残念かつ遺憾に思っております」
《うつむいていた酒井被告の肩が震え、両目から涙があふれた。面倒を見てもらった“恩人”たちの謝罪に、後悔がこみ上げたのだろうか》
三枝会長
「これから酒井法子は裁判により処罰を受けることになりますが、酒井法子がこれを厳正に受け止め、再度過ちを犯すことなく、1日も早く社会復帰することを心より期待しております」
《三枝会長のエールに酒井被告の涙が止まらない。容姿やイメージだけではなく、本当に「清純」な心で、恩人たちの言葉を受け止めて薬物を絶つことができるだろうか。ファンを失望させただけではなく、多くの関係者に迷惑を掛けた酒井被告。薬物から立ち直ったとしてなお、人生にはいばらの道が待ち受けている》