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<世界陸上 女子800メートル・決勝>優勝して喜ぶセメンヤ
By スポニチ



 【世界陸上】19日に行われた女子800メートル決勝では、優勝したキャスター・セメンヤ(18=南アフリカ)の性別をめぐって各国のメディアが騒然。世界選手権では初の“性別疑惑”が投げかけられた。



 両手でガッツポーズを見せると、力こぶが盛り上がっていた。自己記録を1秒27短縮する今季世界最高の1分55秒45。残り200メートルでスパートしたセメンヤは、前回覇者の2位ジェプコスゲイ(ケニア)に2秒45差をつけてゴールに飛び込んだ。しかし競技終了後は無言。会見も拒否して競技場を去っていった。



 性別論争に火がついたのは7月末のアフリカ・ジュニア選手権。昨季まで2分を切れなかったセメンヤが1分56秒72をマークして優勝したときだった。声は低く、顔立ちは少年。上半身の発達した筋肉が女性のものとは思えなかったからだ。



 国際陸連ではこの時点で南アフリカ陸連に対して性染色体検査(性別チェック)を指示。関係者によるとすでに検査は行われたもようで、婦人科、内分泌、心理学の専門家が分析して数週間後に結果が出るとしている。



 しかし国際陸連のデービス広報が「これは医学的な問題であって不正ではない。慎重に取り扱う必要がある」と語ったように複雑な側面もある。なぜなら性染色体が女性(XX)でも男性(XY)でもない非典型例が存在するからだ。



85年神戸ユニバに女子陸上のスペイン代表として出場したマリア・パティーノさんは、XYの性染色体を持っていたとして男性と判断されたが、その3年後に非典型例として再び女性と診断されている。セメンヤは女性、それとも男性?国際陸連は検査の結果次第で難しい対応を迫られそうだ。



 ▼南アフリカ陸連マレポポ専務理事 彼女は絶対に女性だ。疑いがあるならわれわれはエントリーしていない。非常に心外だ。



 ▼J・メドウズ(英国、決勝3位)噂は聞いていた。でももし検査で女性だと分かったら、この騒動は彼女にとって気の毒なことだと思う。



 ▽性染色体検査 66年の陸上・欧州選手権で行われたのが最初。口内の組織を取り出して検査するもので、夏季五輪では68年メキシコ大会から女子全選手に実施された。96年アトランタ五輪では3387人中8人に異常が見られたが、結局出場は認められた。その後「プライバシーの侵害」という機運が高まり、国際五輪委員会は99年に全員検査を廃止。現在は個別対応になっている。




 ≪過去の陸上性別問題≫


 初の認定 検査で最初に男性と認定されたのはポーランドの短距離選手、E・クロブコウスカ。64年東京五輪の女子400メートルリレーで3位となったが、67年の検査で女性ではないことが判明。



 初の資格はく奪 36年ベルリン五輪走り高跳びのドイツ代表、D・ラティエンは直前の大会で1メートル70の世界記録を樹立。しかし当時のナチス政権が「女性」として登録したことが分かり、五輪直前に資格を失った。



 アジア初 06年アジア大会(ドーハ)の女子800メートルで3位となったS・ソウンダラジャン(インド)は性染色体検査で男性と分かり、メダルをはく奪された。




吉乳:汁々はこれからも彼女を追いかけ、応援していきます!