07/15/2009 「インド新聞」


 15日付のヒンドゥスタン・タイムズ紙(1、9面)によると、同性愛者からの献血を断る病院が出始めているという。



同性愛者は複数のパートナーと性的関係を持っていることが多く、感染症の拡大が危惧されるからだという。



 デリー中心部のサル・ガンガー・ラーム病院(病床数650、来院患者数1日6千人)では、献血の調査項目でホモセクシャルを「病気」として扱い、HIV などのほかの感染症と同様に献血を断っているという。



そのほかの大規模病院も同様の扱いをしている。エスコーツ・ハート病院で輸血部長を務めるRCクーラナ医師は理由として、ホモセクシャルからの輸血は通常の場合より感染症のリスクが高いことを挙げている。



 しかし、ホモセクシャルを病気として扱うのは、時代遅れだと指摘する声もある。インド赤十字社のS.P. アガルワル医師は、WHOは1990年にホモセクシャルを精神疾患のリストから削除しており、赤十字社はドナーのチェック項目にホモセクシャルはリストアップしていないと語る。



 また、ホモセクシャルからの輸血を断るのは、輸血量の確保が必要な現状ではマイナスと見られている。デリーでは輸血の量が不足しており、インド赤十字社によると、毎年45万から50万人分の輸血が必要なのに、実際は35万人分の輸血しか集まっていないという。