「橙色の卒業文集」 | AAA・たかうのにはまってるっ(*^^*)✨








卒業式。








ブレザーのボタンは家を出るときに全部外してきた。









誰かにあげるなんてできないから。








冷えた体育館で長い校長先生の話を聞いている間、考えていた。








振り返ると濃い高校生活のことを。








だいたい、濃過ぎて俺の記憶に刻み込むには容量オーバー。








そんな高校生活だった。









昨日の自分がいるから今日の俺がいて、いつだって今を生きてきたから、過去を振り返るのは得意じゃない。








得意じゃない。








そんな俺が絶対に忘れられないのはあの日の実彩子の涙。









日高を思って、泣いていたあの涙。









いつだって泣き虫なのは俺で、それを慰めてくれてたのが実彩子や日高だった。









俺の涙は悔しくて流すことがほとんどで、










俺が頑張れば次は流さない涙がほとんどだった。








でも、実彩子の涙を見て、







どうにもならない涙があるんだって。








どうにかしたいのに、どうにもならない、何もできない。







俺に向けての涙なら、笑顔に戻してやれるのに。









この涙は俺に向けられることはないって‥‥‥‥










そんな葛藤を俺に突きつけた。








あれは忘れられない。







だって俺の初恋は失恋から始まったことに繋がるから。









学校でモテるだのアイドルだの言われて調子にのってたけど、初恋が告白する間もなく失恋かよ。








かっこわりー。








「西島隆弘!」







卒業証書授与で名前を呼ばれる。








「せんぱーい!」

「にっしー!」

「西島先輩!!」







後輩、2年生の子たちから歓声を貰える。








初恋が失恋だった俺なのにな。








ほんと、よくわかんねーよ。









よくわかんねーよ。 イメージ








卒業式が終わったら、クラスで浦ちんの話が始まる。








浦ちんと言えば、アカペラ。









アカペラ2年連続歌わされたなー。








音大のススメも何回受けたか。









俺は歌うのは好きだけど、ギターやり始めても続かないし、基本的に楽器は無理。









浦ちんのアドバイスは無視した進学先を決めて、俺なりの本気を出して勉強してきた1年。









あっという間だったな。








振り返ると俺の記憶力でも案外振り返れるもので、自然と目に涙がたまっていた。








秀「西島!泣くなよ!」








秀太にばしっと背中を叩かれ、俺の涙はその衝撃を皮切りにこぼれ出した。








秀太とはほんと、どこまでも一緒な気がしてた。









大学は別々なんだよな。








昔はめっちゃ本気の喧嘩したけど、つかみ合いの喧嘩もしたけど、今じゃほんと







西「俺やっぱ秀太と同じ大学行きたいわ」








秀「え、どしたと?」







西「寂しいやん」







秀「キモいんやけど」









西「キモいって言うなよ。ほんとに寂しいんやん」








伊「写真、撮ってあげる。」










仲良しな2人 イメージ




 



伊「にっしー、私とも写真撮ろう?」







西「うん」








千晃、、、








千晃とはいろいろあったな。








まさか‥‥‥だったな。







今はなんでか秀太と付き合ってるけど、なんか、、、









なんかいいよな。



  



伊「にっしー、こっち!」







西「おう」







秀「はい、チーズ!」





にしちあ ショット
 






秀「いいね。馬鹿そうなの撮れた」









伊「おい」








西「そろそろ外行こう」








伊「彼女に早く会いたいもんねー」








西「そ」








伊「素直に認めないでよ」








西「なんで怒るんだよ」







そんな言い合いをしながら外に出ると、すぐに実彩子の姿を発見できた。








だって、隣にいる與の周りにめっちゃ人だかりができていて、そこだけかなり賑わっている。









秀「もててんなー」









伊「真司郎ブレザーのボタンないもんね。」








俺もないんだけど、そこはまだ誰も突っ込んではくれない(笑)








秀「真司郎、宇野ちゃん!こっちこっち、」








周りの後輩を振り切った與と、マフラーに顔を埋めた実彩子が小走りでこっちに来る。









なんでか與に好きになったと言われて、









あんまり俺を好いてないと思っていただけにめっちゃ嬉しくて。








ほんと、今日の俺は昔の俺みたいに涙脆い。









涙を拭いながら日高に連絡をいれ、









千晃が撮ってくれた写真を送る。






イメージ








俺らのことを心から喜んでくれる日高は相変わらず実彩子に手を出すなと言うけれど、








どこまで手を出したかは言ってない。









日高は実彩子が嫌がるから自分に相談するなと言ってきたくせに、ちょいちょい手を出すなと言うからわけわからんよな。









宇「ねぇたか、また名古屋行こっか」








自転車を押す俺の横で実彩子か呟く。










西「うん」









宇「遊園地リベンジもしたいし。」








西「今度は俺もホテル泊まるのリベンジしたいし」








宇「??!」  








西「ひひ」








宇「私はクマと一緒で大丈夫だから」









スカートを翻し小走りで駆けてく実彩子を、俺はこれからも追いかけていく。










これからも君の声を聞かせて









君の瞳にいさせて









もっとずっとそのままで笑って








どんな君も全部包むから









今も明日もこの先もずっと









そばにいさせて‥‥‥‥








fin...