もうすぐ誕生日なのだが

15年、続けてきたことがある。

 

自分の誕生日。

1年で最も忙しい日だ。

 

何で忙しいかと言うと、

 

何もしない

 

これで忙しい。

 

誕生日の午前0時から次の日の午前0時まで、

何もしない。

 

とは言え、当然お腹が空くので、何かは食べる。

シャワーにも入る。

眠たければ寝る。

洋書を読みたければ読む。

ピアノが弾きたければ弾く。

スケボーは怪我の危険があるので、完全にオフ。

 

簡単に言うと、キリスト教の安息日。

(もちろん、自分はキリスト教徒ではないが。)

何かはしているが、何もしないのである。

 

予定は、何もしない。

誰かが勘違いして、

「あ、その日空いてるんだ。じゃあ、~」

と言われそうだが、

いやいや…、何もしないという予定で忙しいんです。」

と断る。

 

カレンダーには自分の誕生日の日付があるが、

自分にとっては、ないのである。

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原因は2008年にさかのぼる。

勘違いの事務のお局社員が原因。

思い出すと怒りしかない。

 

その日が自分の誕生日だと知っておきながら、

事務の仕事を押し付け、さらに、これが酷いことに、

たまたま会社の前に猫の死体があり、

これを片付けろ、と言われた。

いやいや…、何で自分?

 

怒り心頭。

この日、退職を決めた。

 

猫を袋に入れ、役所に連絡。

役所の人たちが持ち運んだあと、

死んでいた場所に手を合わせた。

 

すると、

「そういうことはしなくてもいいの。」

 

世の中には、こんな人間もいるのかと

ただ、ただ驚いた。

 

この話、本当の話。

 

もとより、そのお局、社員一同が嫌っていた。

古くて、おかしな価値観が正しいと信じて、

若い世代に押し付けてばかりだった。

まあ、そうだろう。

自分は殺意さえ抱いているが…。

 

次の日、辞表を提出。

もともと、ブラック満載の会社だし、

サビ残は当たり前、

ボーナスも出ない、昇給もない。

 

数年前、大手に吸収合併。

事実上、倒産。

 

当たり前だろ、こんなの。

こんなのが長く居座れる会社なんて、

なくなった方が社会的にいい。

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話を元に戻そう。

そんな経緯があり、

自分の誕生日は、何もせず、平穏に終わらせる。

 

そして、

これまで自分が生きてきたこと。

今、自分が生きていること。

これから自分が生きていくこと。

 

これを見つめ直す日。

これを自分の誕生日とすることにした。

 

あ、ケーキとチキンは買いますよ。

自分のお金で…。