本記事は川崎ブレイブサンダース Advent Calendar 2016の12/18(日)用の投稿記事です。

 

川崎ブレイブサンダース(東芝ブレイブサンダース)の歴史を簡単に紹介したいと思います。

今回は「2001~2006年までの歴史」について簡単に。

この期間を一言で表すとしたら「第1次黄金期の継続と終焉」ですかね。

 

※All Japanは2001年までは外国籍on2が認められていたのですけど、2002年から「日本人のみで戦う」というルール変更が行われました。

(2007年まで。目的は日本人ビッグマンを育てるという理由。

 帰化選手、見なし日本人選手はOK)

 

◆2001年シーズン

 小野元、J.スティーブンス入団

 昨シーズンで引退したT.ホーバスに変わる得点源として、J.スティーブンスを、

 また北の控えとしてピュアシューターである小野元(中央大学)を獲得。

 

 しかし、シーズン開幕直前インサイドの要として期待をしていた

 A.グリグズビーが左足のACLという重症を負い、急遽別な外国籍選手

 E.デイリーを獲得。

 

 そして、正PGの節政までシーズン序盤の怪我で離脱。

 結果、RSは中々勝てない状況が年内続き、年始のAJへ。

 

 AJが始まる前の頃には節政、A.グリグズビーも復帰。

 1発勝負のトーナメントで優勝を目指しましたが、セミファイナルにて

 アイシンに敗れ、優勝ならず。

 

 その後再開されたRSはAJの勢いもあり前半戦に比べ戦い方がまとまり、

 7-14の6位Finish。

 

 このシーズン一番印象的だった試合はAJベスト8 vs トヨタ自動車アルバルクとの試合。

 先述の通り、RSは中々思ったようなバスケが出来ず苦しんでいました。

 そして、ベスト8でJBL勢、RSでも2敗していたトヨタ自動車との対戦ということで

 会場のお客さんもボルテージが上がっていました。

 そしてその試合内容はダブルOTまで縺れかつ、

 トヨタは折茂、渡邉、東芝は北が5FでFOとなる大接戦を制した物凄く熱い試合でした。

 

 また、このシーズンを以て会社の業績不振の影響からいすゞと

 ボッシュ(旧ゼクセル)が活動休止に。

 (いすゞはリーグ制覇を果たしながらも休部ということで驚きました。

  →前年から内定取消し等(身内で1名喰らった)が起きていましたので…。

 

◆2002年シーズン

 佐藤賢次、伊藤俊亮、T.クラインシュミット入団

 

 外国籍選手を一新

 ボッシュの活動休止もあり、前年諸事情でチームを離れたF.ルイスが復帰。

 そして、アメリカCBA時代に同じチームでプレーしていた

 T.クラインシュミットが加入。

 また、今も千葉で頑張っている伊藤俊亮、

 2000年インカレを制覇した青山学院大学から佐藤賢次が加入。

 

 AJは残念ながらベスト8で松下電器に72-81で敗戦

 

 RSは節政、北のコンビに加え、2年ぶりの復帰となったF.ルイス、

 そしてT.クラインシュミットの活躍、途中からは伊藤がスターター

 定着したこともあり、12-9の3位で終え2年ぶりのPOセミファイナルへ

 

 対戦相手はトヨタ自動車アルバルク

 ・Game1 東芝81-85トヨタ

 ・Game2 東芝78-85トヨタ

 で惜しくも敗退。

 残念ながら3位でシーズン終了

 

 T.クラインシュミットの加入を知った時は大喜びしましたね。

 理由ですけど、外国籍PGだったので

 「節さんと違ったどんなゲームメイクするのだろう?」

 という単純な理由です。

 

◆2003年シーズン

 新規入団選手は無し。

 

 HCが吉田さんから鎌田さんに交代

 先シーズンからメンバーの大きな変更もなかったんので、順調にシーズンを

 進められるかと思っていたのですが・・・

 シーズン序盤でいきなりT.クラインシュミットを怪我で欠き、

 またもう一人の外国籍選手であるF.ルイスも骨折。

 

 AJまでの前半戦を7-7の5割で凌ぐ。

 AJは準決勝でトヨタ自動車アルバルクに68-75で敗戦

 

 後半戦は前半戦を怪我で欠いた外国籍選手2人も戻り、

 またその間を日本人インサイド選手達が踏ん張ったことで

 チーム戦力層が厚みを増し、最終的にはRSを16-12の2位で

 2年連続のPO進出

 

 このシーズンはセミファイナルを横浜国際プールで開催

 (現:横浜ビーコルセアーズのホームコート)

 

 

 対戦相手は三菱電機メルコドルフィンズ(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

 ・Game1 一進一退の好ゲーム。

  ラスト同点を狙った北の3Pはリングとボードの間に挟まり、

  東芝72-75三菱電機で惜しくも惜敗。

 ・Game2

  後のない東芝は持ち味のDEFから自分達のバスケをしっかり展開し、

  東芝70-65三菱電機で1勝1敗のタイに。

 ・Game3

  試合開始前にハプニング。係員の不手際で照明が落ちる。

   →照明が戻るまでの時間分、試合開始が遅れる。

    (照明施設の関係で、横浜国際プールで暗転は出来ないのです。)

  そんなハプニングにも見舞われましたが、東芝75-59三菱電機と快勝し、

  先にFinal進出を決めていた前年度王者、アイシンとの対決へ

  ※4年ぶりのFinal進出

  <こぼれ話>

  アイシンは松下電器とのGame2にて第3Qまで24点差(47-75)で負けていた。

  しかし、第4Qにその点差をひっくり返し大逆転勝ち(87-86)

  ラストはJRのブザビ、ロング3P。

  ※見逃したことを未だに後悔してます。

 

 ファイナルは聖地 代々木第二体育館

 ・Game1 東芝69-78アイシン

  開始2:30で東芝1-9というアイシンが主導権をいきなり握る展開。

  しかし、まだ8点差。これから逆転出来ると応援していましたけど、

  最終的にはこの1Qの立ち上りのリードを巧みにコントロールした

  アイシンが先勝。

 

 ・Game2 東芝75-72アイシン(OT)

  後のない第2戦。

  DEFを立て直した東芝が31-30の1点リードで折り返し。

  後半第3Qに入ってからは一進一退の攻防を繰り広げるが、

  結局第3Q終了時点で46-52とアイシンリード。

 

  さらに第4Q立ち上りにE.マッカーサーに得点を決められるが、

  東芝も連続得点を重ね、53-54と点差を詰める。

  しかし、東芝が掴んだと思っていた波はアイシンへと移り、

  C.トーマスの3P等で残り2分を切った所で57-62。

 

  この後にビッグプレーが。

  フリーで飛び出した後藤のレイアップを北がジャンプ一番でブロック。

  7点差となるのを防ぎ点差が5点差のまま、

  残り1分を切った所から奇跡が起きる。

 

  激しいDEFを後藤に仕掛けた北が転倒。

  倒れ込んだ北にボールをぶつけて外に出しマイボールにしようと投げた

  後藤のボールが北のお腹にすっぽりと。

  それをフォローしたT.クラインシュミットの得点で3点差。

  その後、佐古のドライブで再び5点差へ。

  この時点で残り31秒。

 

  節政はナンバーコールし組立てを図るが、上手く行かず

  「マッカーサーの腕が絡んでいたので打てば入らずとも3本のFTが貰える」

  と判断し、シュート。これが決まる。

  ボーナスFT1本は外れORをF.ルイスがキープし、北へ

  北の3Pが決め、逆転。(代々木が揺れました、まじで)

 

  しかし、そこは王者アイシン、佐古がFTを得る。

  佐古はこれで決まったとガッツポーズをしFTラインへ。

  しかし、2本目が外れOTへ。

  

  OTはアイシンが7得点を奪うも東芝がFTを5本決め、トドメは北さんのドライブと

  3Pで大逆転。Game3へと決着は持ち越された。

 

 ・Game3 東芝78-81アイシン

 

 

 (「JBL OFFICIAL BOOK バスケットボール日本リーグ機構 

    JBL 12YEARS MEMORY 12年間を振り返って」 から転載)

 

試合後、小野くんと話し込む北さん

 

◆2004年シーズン

 板倉令奈、宮永雄太入団

 

 昨シーズンの雪辱を晴らすべく臨んだシーズン

 前半戦は13-3と良いスタートであったが、後半戦7-5と少し失速。

 トータル20-8、RSシーズン2位で4年連続のPO進出

 

 AJは準々決勝でトヨタ自動車アルバルクに79-78と惜敗しベスト8どまり

 

 POセミファイナルは川越総合公園体育館(遠かった(汗 )

 前年に引き続き三菱電機との対戦

 ・Game1 東芝86-55

 ・Game2 東芝92-103

 ・Game3 東芝90-78

 と前年同様第3戦まで縺れるも何とかリベンジのキップを確保

(「月刊バスケットボール 2005年5月号から転載)

 

 Finalは3連覇を目指すアイシンとの対戦。

 3-2で制し1999-2000シーズン以来5年振り2度目のリーグ制覇

 ・Game1東芝92-80アイシン(OT)

 ・Game2 東芝60-52アイシン

 ・Game3 東芝59-66アイシン

 ・Game4 東芝48-73アイシン

 ・Game5 東芝75-73アイシン

 

 

(いずれも「月刊バスケットボール 2005年6月号から転載)

 いや、いずれの試合も色々なドラマがありましたが、私の能力では伝えきれないので。

 

 

◆2005年シーズン

 志村雄彦入団

 2000年シーズンに出来なかった連覇を目指して臨んだシーズン

 RS前半戦は9-5で乗り切り、AJへ

 準決勝 vsトヨタ戦では残り1.7sからの板倉令奈のミラクル逆転3Pが決まり

 劇的な逆転勝利で決勝へ。

 

 決勝は前回のAJ決勝と同じ三菱電機との対戦。

 準決勝で鵜澤くんがE.マッカーサーを抑え込み、

 勢いのある三菱電機と思っていたのだが、決勝が始まるとスタートから

 東芝ペースで試合が進み、危なげなく東芝78-55三菱電機で勝利を収め

 2000年以来6年振り2度目のAll Japan制覇

(出典:東芝ブレイブサンダースHP)

 後半戦7-5と少し勢いが落ちたものの16-10のRS3位でPO進出

 ※このシーズン「福岡レッドファルコンズ」が新規参入するもRS途中で資金繰りが

  ショートし、AJ以降のRSから撤退という大きな事案もありました。

 

 POセミファイナルは横浜文化体育館で開催。

 対戦相手はPO初出場のOSGとの対戦。

 RSでは1-3と戦績不利な状況であったが連覇を目指すチームは

 土壇場に強いと信じていましたが・・・

 ・Game1 東芝73-82

 ・Game2 東芝80-87 と完敗。ベスト4でシーズンを終える。

 

 POの試合前、F.ルイスは今シーズンを以て引退する旨を(この時36歳)話していたとの事。

 引退するルイスのためにと奮闘しましたが、

 OSGの川村、朝山、堀田というアウトサイドシューター

 PGの大口、DEFの良い鈴木鉄夫、

 日本人インサイドの桑原、鹿毛

 外国籍選手A.カスタス、J.ハニーカットという

 東芝と比較して平均年齢が5歳近く若い勢力には敵いませんでした。

 

さて、明日(12/19)はkanzmrswさんの

「フロサポにわかりやすくサンダースの選手を紹介する2」

でお楽しみください。
川崎ブレイブサンダース(東芝ブレイブサンダース)の歴史については

12/21(水) 2006~2011シーズン

12/23(金) 2012~2016シーズン

を寄稿する予定です。

 

<注記>

本記事の作成において

バスケットボール日本リーグ機構が企画・監修した

「JBL OFFICIAL BOOK バスケットボール日本リーグ機構 

 JBL 12YEARS MEMORY 12年間を振り返って」

また、月刊バスケットボール「2005年5月号、6月号」

からの引用を多数しましたことをお断りしておきます。