「厄介な病気かもしれないんだけど」

「心ファブリーっていう病気かもしれない。」

先生はゆっくり説明してくれた。

心ファブリー??

初めて聞く名前に言葉を失う。

代謝異常の1つのファブリー病の亜系で、心臓の筋肉へ体の細胞に必要のない糖脂質がどんどん溜まってしまう難病とのこと…

体の中の酵素が足りない状態で、どんどん悪いものが心臓にたまってしまう。

ファブリー病は全身に症状が出るが、心臓だけに起きてしまうのが心ファブリーで、非常に珍しい病気と言われた。

心筋の肥大や不整脈も、心ファブリーが影響しているかもしれないとの事。


主治医は、次男の心電図がどうしても気になって、不整脈に詳しい先生に相談してくれていた。

その先生が心電図の波形が心ファブリーの患者さんの波形に近いかもと教えてくれたそう。

心ファブリーの検査は特殊な研究レベルの検査になるので、東京慈恵会医科大学に行って調べてもらう事になった。