気仙沼日記 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

 彼岸で栃木県宇都宮市の実家に一泊で行ってきました。

 庭の梅の木が白い花を咲かせておりました。




 母の話では、家を建てた3年後くらいに、夫の実家から苗木をもらってきて植えたのだそうです。もう60年くらい経っています。今は、枝がほとんどなくなって、幹はおいぼれておりますが、今年もちゃんと花をつけたのです。

 この梅の木は、僕の子供のころの思い出と共にあります。この木の下でどれだけ遊んだことか。木登りしたり、梅の実を落としたり、父親とアメリカシロヒトリ退治をしたり。そのころは、とても大きな木に見えましたが、半世紀も過ぎて、僕自身が変化したからか、今は細くて弱々しい古木です。

 それでも母(87歳で大変元気)は白梅が咲いたのをとてもうれしがっておりました。家族の思い出が小さな花びらの一枚一枚に記録されているような、けなげな開花の印象でした。

 

   白梅や母の小さき肩に手を


 父は3年ほど前に亡くなりました。87歳でした。母は、僕の目には、たぶんあと10年は大丈夫だと思います。10年後、この梅の木はどうなっているでしょう。 (3月22日)