気仙沼日記 | 西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

西和賀日記 山・雪・味・人 楽しき農山村 

奥羽山脈「真昼山地」に魅せられて65歳で岩手県和賀郡西和賀町に移住したおじさんの暮らしぶり

 気仙沼の徳仙丈山の中腹にある羽田神社には、400年も続くという伝統行事「お山がけ」があります。旧暦8月15、16日に7歳男児が奥の院に登拝し、一人の男としての自覚を得る祭りです。父親以外の、おじいちゃんとか親戚の男性とかと一緒に神社の裏の山に登ります。このような行事は国内でもここだけなのだそうで、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。本日がその1日目。知人に誘われて、撮影に行きました。

 地元の子供たちのほか、福島や関東からの参加もありました。かなりの急斜面を杖をつきながら行列をつくりました。30人ほどの子供たちは連れ添いの人に励まされながら登り、全員が奥の院に拝礼しました。

 私が「いいなあ」と感じたシーンがありました。下山する直前に、何人かの子がひそひそと話を始めました。そして、付き添いの大人たちに「この子たちと一緒に行っていいですか」と言いました。子供たちは、この日、初めて出会ったのです。きつい登りを登り切った仲間意識が芽生えたのでしょうか。「いいよ」と許しを得た彼らは、下り坂をバンビのように仲良く下っていきました。





 上の写真がそのシーンです。この子たち、きっと健やかに成長していくのでしょう。まだ小学1年生くらいですけど、きょうのことを一生忘れないのではないでしょうか。  (9月8日)