歌舞伎座「九月大歌舞伎」第三部に行って参りました | 妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

2016年9月病院で愛妻が亡くなりました
夫は翌年大学生になった娘と愛犬2匹と暮らしていました
2022年11月二女が動物病院で亡くなりました
2024年1月に三女が後を追うように亡くなりました
大学生の娘と二人家族になりました

今朝の横浜の空、分厚い雲に覆われてどんよりと曇っています。夕刻にわか雨が降るとの予報です。

さて昨日は久しぶりに晴れた夏の1日でした。都内のNPOでの仕事帰り、JRを途中下車してMスポーツセンターに行きました。17台フル稼働しているトレッドミル、この時間帯のランナーはいつも4〜5人だったのですが、昨日は自分も含めて9人が走っていました。緊急事態宣言の延長が決定している中ですが、一方ではじわじわと日常が戻って来ているような気がします。1時間のランニングで11.6km走りました。

シャワーを浴びてさっぱりしてから、向かった先は歌舞伎座です。夕方6時開演の第三部「東海道四谷怪談」を観て参りました。四世鶴屋南北の原作では4時間を超える長尺ですが、お岩(玉三郎)の父親の敵討ちのために民谷伊右衛門(仁左衛門)と復縁するという説明を省いて、伊右衛門が傘張りをしている場面から始まり「隠亡堀」の”だんまり”まで2時間10分に収めての上演です。38年ぶりの孝夫・玉三郎による再演になりますが、この時初代辰之助が演じた直助を息子の松緑が演じました。主役の一角の直助ですが今回は「隠亡堀」のおよそ20分間だけの登場です。たった20分とはもったいない。でもいい味を出していました。それにしても人間国宝のお二人は全く年齢を感じさせませんね。お岩が図られ毒薬を盛られて恐ろしい顔に変貌したり、髪梳きではごっそりと髪が抜け落ちるなど怖い場面の連続ですが、玉三郎のリアルな演技には見惚れてしまいます。次々と殺人を犯す伊右衛門はとんでもない悪人ですが、仁左衛門が演ずるとゾクッとするような色気を発散させて、魅了させられます。目を覆いたくなる場面の連続でも、二人の演技には爽快感すら感じてしまうのは何故でしょうか。終演後余韻に浸りつつ、夜の銀座を一人歩いたのでした。