1987年8月、妻が入社して来ました | 妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

妻を亡くした夫と母親を亡くした娘の生活

2016年9月病院で愛妻が亡くなりました
夫は翌年大学生になった娘と愛犬2匹と暮らしていました
2022年11月二女が動物病院で亡くなりました
2024年1月に三女が後を追うように亡くなりました
大学生の娘と二人家族になりました

私が「妻」と呼ぶ女性は一昨年に病気で亡くなった妻だけです。1991年7月まで約14年間結婚していた女性は、長男の母親で小学校5年生の女の子の祖母でもありますが、「前妻」と表記しています。前妻とは孫の誕生日と義理の両親の墓参りなどで今でも年に2回ほど会っています。ものすごく仲が悪くなって別れたのではないのと、長男が社会人になるまで経済的な責任を一手に引き受けて来ましたので、前妻も長男も私を信頼してくれていると思っています。長男が10歳の時に家を出た私に代わって、彼を立派な社会人に育ててくれたことに対しては、私も前妻には大いに感謝しています。

しかし、運命とは予測不可能ですし、今となって思い返すと全てが運命だったと思うしかありません。

今から31年前の8月に運命的な出来事がありました。私が勤めていた会社の隣の部署に妻が入社して来たのでした。私は正社員で既に管理職でしたから自分の部署で臨時職員(当時の職名です)を採用する際は、面接に立ち会います。妻は隣の部署の臨時職員で応募して来ましたので、面接には立ち会っておりません。私は同じフロアで新規に働き始めた女子職員として紹介されたのでしたが、当初のことはほとんど覚えておりません。ただ27歳の新入社員というのは当時としてもやや高齢なのでした。忙しい営業部門では社員のお嫁さん候補として、上司である面接官は20代前半の女性を選ぶのが普通の時代でした。1〜2年で仕組まれたように社内結婚が決まりました。営業部門の採用から漏れた27歳の彼女を、なぜ管理部門の隣の部署の上司が採用したのかは不明ですが、誰もが知る大きな会社に勤めた経歴と、美貌が決め手だったのかも知れません。

妻は大人しく控えめな女性でしたので、特に新入社員時代は遠慮がちで全く目立ちませんでした。ただ隣の部署とはいえ元は1つの部署を2つに分けたものですから、飲み会などはちょくちょく開いてました。それでも既婚者の私と付き合うことになるなど、私はもちろんですが、妻には思いがけない以上のことでした。きっかけは何だったか明確には憶い出せませんが、妻の入社から1年以上は経っていたと思います。