これまで色々なカメラを天体写真に使ってきました。
1.銀塩フィルム(69判)
2.銀塩フィルム(35mm判)
3.デジタル一眼レフカメラ(APS-C IR改造)
4.デジタル一眼レフカメラ(APS-C 冷却改造 IR改造)
5.デジタル一眼レフカメラ(フルサイズ IR改造)
6.冷却CCDカメラ(フルサイズ ワンショットカラー)
7.冷却CCDカメラ(フォーサーズ モノクロ)
8.冷却CCDカメラ(フルサイズ モノクロ)
これらの中で、画像処理という観点で最もやりやすいのが8のモノクロ冷却CCDフルサイズです。
逆に、最も画像処理で苦戦を強いられるのは、6のワンショットカラーのフルサイズCCDです。
1や2の銀塩フィルムは、淡い部分や細部ディテールさえ欲張らなければ、ポジの時点でそれなりに絵は仕上がっているものが多いです。ただし、1についてはフォーマットサイズが広大であるに関わらずフラット処理を前提としないため周辺減光処理やカブリ処理が大変でした。
6のワンショットカラーはなぜ難しかったかというと、全く色が出ない・出せないのです。
ベイヤーからカラー変換の方法が悪いのでしょうか、色々やってみるのですが、なかなか色味が出てくれません。これならデジカメでDNG経由でcamera raw現像した方がよっぽど楽に色が出ます。
けど、本当に楽に色が出せるのは、実はモノクロCCDなんです。
経験のない方からすれば、モノクロCCDって3色分解フィルターでわざわざ撮影して合成するなんて手間ばかりで面倒だって思うのでしょうが、画像処理が一番楽だと思うのがこのモノクロCCDです。どのタイプのカメラよりも一番こってり色が乗ってくれます。「モノクロ」という名前が皆に「カラー」とはかけ離れた想像を喚起させます。けど、それは真逆なんです。モノクロCCDの3色合成こそ、最も天体の色が出しやすい手法だと思います。
特にLRGB合成による画像処理は非常に合理的で素晴らしいです。
色と解像の2要素を、RGB・Lに役割分担することで、それぞれに特化した処理を与えることが可能です。
初心者の方はまずはデジタル一眼から入門されるのが安くておすすめなのでしょうが、さらに良質な素材または楽で合理的な画像処理環境を構築するために、是非次のステップとしてモノクロCCDの導入をおすすめします。
最初は僕も、戸惑いました。
戸惑いの一番はやっぱり、「LとRGB、それぞれどのぐらいのバランスで合成?」ということです。
これは「これ!」っていう数値や指標がないんですよね。
1つ言えるのは、Lをモノクロ写真と勘違いして硬調にしすぎてしまうことです。
これにより、本来赤い散光星雲の色が薄いピンクなどになってしまうという症状が代表例でしょう。
けど、自身のそういった傾向さえ把握しながら方向修正していけば、すぐにLとRGBの塩梅を掴み取ることが出来ます。そうなったらしめたもんです。あなたはモノクロCCDの虜になることでしょう。