よく、写真の調子は柔らかくないと階調性が云々…とか、逆にコントラストを上げた方が鮮やかでいいとか…
仕上がりの調子をアメリカンにしたからお恥ずかしい限りですだとか、
そういう意見を目にします。
僕の意見を言いましょう。
軟調も硬調も、両者どちらがイイという答えはありません。
硬調だからいけないのではないのです。
軟調だからいけないのでもないのです。
硬調ですごく良い感じの写真はたくさんありますし、軟調でも同様です。
どっちもどっち。
デジカメのISO感度X枚数の議論みたいなもので、比較に意味はほとんどありません。
好みの世界を持ち出し「オレはどっち派だぜ」という主張も、だからどうしたの?という結論しか呼びません。
むしろこうです。
「どちらでないといけない。」
という意見よりも、
「どちらであっても美しい」
という再現スキルを身つけた方がよっぽど建設的です。
そこで、コツを以下に書きます。
それは、明度と彩度のバランスについてです。
軟調=明度が高い・明るい・浅い・コントラストが低い →この場合は彩度が低い
硬調=明度が低い・濃い・コントラストが強い →この場合は彩度が高い
この法則を知ることこそが前進のコツです。
この方程式を頭で肌で実践で繰り返し、体得してみましょう。
今後もしあなたが果物のリンゴを目にしたときは、そのシチュエーション(環境光など)が例えば真夏の強いコントラスト下で見る鮮やかな赤の発色だったのか、それとも薄暗い室内の照明下でみたくすんだ薄い色だったのか…という見方も大切です。「鮮やかな赤だった。」⇒「なら、そのときの環境光は?」⇒「たしかに日差しの強い野外だった。」という具合です。
そんな事を色々繰り返していくと、そのうち自分の作品において以下のような欠点が見えてくるでしょう。
・Labで話をするなら、Lのコントラストは十分に上がっているにも関わらず彩度が足りない…とか、
・逆にLは柔らかく濃淡差が少ないにも関わらず、異様に彩度だけが高い…そんな状態です。
天体写真で言うなら、バックが黒いなら彩度がそれなりに上がってないとアンバランスなんですよ。
逆にバックが浅い(明るい)なら、彩度が低くて当然なんですよ。
写真のクリエイター(撮影・発信側=鑑賞サイドではないという意味。プロアマ不問。)として、不毛な硬調・軟調議論よりも、むしろ上記のような観点を重んじるべきだと思います。
天体写真の場合は特に人間の感性で決定付ける要素が多く、習得には慣れや経験が必要です。
しかしこれをおろそかにすると、何か分からないけど釣り合いの悪い写真ということになってしまいがちです。
イイ感じではないのは分かっているんですが、では一体何がそうさせているのか、が分からぬままなんです。
もう一度繰り返します。
写真の調子が柔らかい、硬い…これらは写真の良し悪しや出来には関係ありません。
写真の出来不出来の原因は、そこにはないのです。
どちらであってもイイ感じの状態を作り上げることは可能。
それよりも大事なのは、タイトルにもある「コントラストと彩度のバランス」ということです。
簡単なようで、これはこれで一大テーマですよ。
何より数値等、定量再現が困難であるが故に、人間の感性や慣れのスキルが試される調整だからです。
モノクロ冷却CCDという、LとRGBを別個に撮影&合成処理する方なら、理解は早いかと思います。
デジカメでも結局、おんなじ事なのです。