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R・G・Bと3色あるとすれば、天体写真においてGが他の色の数値よりも高くなるケースは少ない。
たいてい、GはRやBの下で色相を支えるために踏ん張る「縁の下の力持ち」なのである。
 
しかし、ではGは天体写真にとってあまり重要でない色かというとそうではない。
Gの存在は透明感や立体感を再現するために、とても重要な色だ。
この色は、街灯などに含まれる波長とカブるため、光害の悪影響を受けやすい。
逆に言うと、光害のない暗いスポットで撮影された素材は、このGやBのコントラストが競争力となりやすい。
 
今夜、PRO-1で上にあるコーン星雲付近の対象を出力した。
このプリンターは、そういったGのギリギリ限界を攻める上では格好のモデルだと思う。
PRO9000の際はいつも、のちのちの褪色によるB抜けを恐れ、上のコーン付近のようなGやY要素の強い星域を出力する際は無理やり寒色を混ぜてプリントしていた。それでもやはり、半年経ったりするとBが抜け、黄色や緑が前面に出てしまうという宿命的な欠点をかかえていた。しかしこのPRO-1は、それが全くない。何度アルバムを見返してもその兆しすら感じない。出力後の感動がそのまま標本化されている。顔料を使っている方からすれば、当たり前だと言われるかもしれない。けど、そんなことにいちいち感動を覚えてしまう。染料系では絶対に絶対に味わえない感動だ。
 
そんなこんなで確信した。
「このプリンターがあれば、もっともっと今まで以上にGの限界を攻めることが出来る!」
M17で表現したかったYやG、ギリギリの塩梅が出力後、見事一生変化しない標本となってくれる。
天体写真にとって、Gはすごく大事。色処理のアプローチがより積極的になること間違いない。
 
PRO-1を買ってそろそろ1ヶ月が経過しようとしているが、このプリンターの能力は本当に素晴らしい。おかげでカメラそして写真プリントに向き合う姿勢がすっかり変わってきた。毎日の写真ライフが本当に楽しい。
インクのランニングコストは未知数で恐ろしいものの、出てくるプリントは常にミスなくパーフェクト。
ミスというのは例えば、用紙下端のこすれだったりインク付着による汚れだったり、スジだったり…そういう中途半端なミスが全くない。毎日嫁さんに言っている、このプリンターは本当に良い仕事をすると。
 
特に黒がいい。今までの顔料プリンターにはない黒の濃度が、ものすごく天体写真に利いている。
他の顔料モデルを使っている方からすれば、ここはあまり触れられたくない部分かもしれない。
かつて雑誌の記事などでは、従来の顔料系の黒の弱さを逆手にとり、「暗部の階調が豊かで…」とはぐらかしていた。初代ニコンD1のカラースペースのハンドリングを誤って展開し、そこで見る絵を評して「色は浅いが階調豊かで素材性に優れる」と評していたカメラマンと同じだ。
写真にとって、黒と白は物語の起承転結の起と結の部分。
紙にもっとこだわれ、紙白をもっと意識しろっていう写真家はいるけど、黒の濃度に文句言うヒトは稀だった。
けど、天体写真でそれは困るのである。
黒は命、真っ黒を出したいというわけではなく、作者が意図した50は50のまま出力したい。点在する暗黒の20は20のまま出力したいのである。明るすぎても暗すぎてもいけない。
 
黒の濃度。これは決して、「理論値よりも黒が濃く出る」というわけではない。今までの顔料機が、理論値よりも浅すぎるだけだ。机上で想像した場合、この性能はついつい軽視されがちだが、実際プリントを手にとって比較してみると、この恩恵はあまりにも大きい。
 
PRO-1は、従来顔料l機で唯一かなわなかった黒の濃度を手に入れたことによって、欠点のほとんどないプリンターになったのではと感じる。今年も色々と機材類で散財してしまったが、この製品ほど感動の大きいものはないだろう。
 
ただ1点。純正のICCプロファイルは、ここでは詳細触れられないが、まだ改善の余地があるだろう。
反面カスタムのICCプロファイルでの運用は非の打ち所がなく、コスト面を除き、性能面ではベタ褒めするしかない。天体写真用途でここまで優れたプリンターは、他にないのではと思う。
天体写真作品が集まり、そろそろ自分の作品群をアーカイブしたいという方には最適だと思う。