暗い空で撮影した画像というのは、明るい空と比べ何倍も処理が楽になる。
以前、アンタレス北部を撮り比べしたのだが、
① 1年前に6枚コンポジットで撮影された素材
② 最近16枚コンポジットで撮影した素材
両者をコンポジットして比較したら、①と②は同じ程度のS/Nであった。
もちろん①は暗い空、②は南が明るい空での撮影だ。
驚きである。

ここに淡い対象を、思うがままに描出した画像がある。
この対象は一度しか撮影していないのだが、かなり淡い部類に入るに違いない。
処理に苦労を強いられそうな気がするが、実際のところはあまり苦労した感がない。
これは空の暗さと長時間露光のおかげだろう。
ただ、この対象はМ78と似ており、中心右下の花のような星雲を引き出すことは容易だが以下のよう
な部分を描出するのに苦労する。

○のエリアをよく見て欲しい。
ここは単純に赤の分子雲の濃淡だけでなく、青成分の起伏がアップダウンしていることが分かる。
つまり、青と赤がバックグラウンド領域で入り混じっているということだ。
このニュアンスが分かるだろうか。
地味ながら、実はこの写野内で1・2を争う美しいエリアだとも言える。
これは私の処理ではなく、空の恩恵がきいているのだろう。
こういった部分で、遠征でしか得られない微妙ながら大きな差があるのだ。
名古屋・大阪・東京の3大都市を中心に考えると、そこからおよそ100キロメートル圏外まで脱出する
と、かなり良い空に巡りあう可能性が高まるだろう。
もちろん付近の中都市の有無によって明るさはバラつくが、
「大都市からどれぐらい離れたか?」
ということは、空の暗さをある程度決定づける重要なファクターとなるだろう。
「ここは山に囲まれているので、街の光が届きにくい。」
とか、実はあまり関係ない。
単純に、地図とにらめっこして大都市からエスケープすることだけを考えればいい。
また、これに加え、標高という大切な要素もある。
ついつい近場でお気楽に、と思うのだが処理→完成までの苦労を考えると、そこから少し足を伸ばして
良い空へ行った方が、トータル面で楽となることも多い。
冒頭の例で行くと、
①はL60分、②はL160分、実に100分の差がある。
100分間で高速道路を走らせると、およそ150km程度遠くまで行ける。
もう少し遠くへ…というのが本記事の主題だ。
もちろん、割り切って都市で撮影される方はナローその他の手段によってクオリティ追求を楽しむこと
が出来るというのは言うまでもない。
遠征派で遠くへ行く機会の少ない方は、次の新月連休辺り、思い切って遠くへ足を運んでみるのはどう
だろうか。