フラット補正を正確に行うためには、前回述べたように

ライト画像とフラット画像について、RGBのヒストグラムの山位置を合わせこむ必要があります。


例えば、

ライト画像のピーク位置が(R:G:B)=(100:120:140)

であれば、厳密には

フラット画像のピーク位置が(R:G:B)=(100:120:140)

でなければいけません。(…と思う。違っていたらごめんなさい。)

つまり、モノクロフラット画像で除算をすると、カラーバランスの整っていない画像の場合(天体写真などはそう)厳密に言えばRGBで引きムラが出てしまうということですね。
強処理を前提とした作品の下処理では、この部分の追い込みの差が後処理の難易度を大きく左右します。

さて、今回の素材…かなり迷ったのですが、出来るだけ天体写真に近い素材ということで以下を
用意しました。

まずはF2.8で撮影した素材(周辺減光が発生しています。)
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イメージ 1


次にF32で撮影した素材(ゴミやシミだらけです。)
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イメージ 2


これらを元に、フラット処理の実際における問題点を抽出していこうと思います。

まずは、失敗例から見ていきましょう。
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イメージ 3

これは大きく色バランスが崩れたフラット画像を使った一例です。
カメラレンズにVLC-34を装着してEL発光パネルを直接撮影すると、こんな色になります。
青、緑、赤の順番に輝度が落ち込んでいきます。
私の脳内セオリーに基づくと、このフラット画像を用いてR=G=Bニュートラルのライトフレームを処理した場合、

青が過補正、赤が補正不足となります。


セオリーが本当に正しいのかどうか、実際にRAPを使ってフラット補正してみました。
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イメージ 4

いかがでしょう。
上の画像はF2.8で、周辺減光の補正をしたつもりなのですが青が過補正となっていることがお分かりでしょう。F32の場合は、周辺減光自体はなくゴミ補正を前提での一例なので、ゴミに着目して下さい。ゴミの部分が青くなっているのがお分かりでしょうか。(○で囲んだ箇所です)

この素材を使った天体写真を強処理した場合、きっと後々の処理で不自然なブラシや円形グラデーションツールをPSで頻繁に使用してリカバリーしなくてはいけませんね。下処理段階からこれではスマートな画像処理とは言えません。

そこで、今日はある「秘密道具」を用いてフラットの色をコントロールして撮影してみました。
今回使用しているライトフレームは、適切な色温度の照明下で撮影されており、RGBのバランスが均等ですので、それとほぼ同位置のヒストグラムとなるように、フラット板光源の色温度を微妙にコントロールしています。得られた結果が以下の画像です。
イメージ 5

イメージ 6

やや赤が強くなっているようですが、大体ニュートラルに近づけることが出来ましたね。

さて、この画像を用いてRAPのフラット処理をした結果が以下の画像です。
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イメージ 7

上が「Before」下が「After」です。
出来れば画像を拡大して比べて改善効果を見比べてみて下さい。
どうでしょうか?
ゴミやシミ含めてしっかりと改善効果が得られました。
細かいこと言えば、フラットデータの赤が強かったおかげで中央が緑寄り、周辺が赤寄りとなってしまっていますが、それでも上の処理前と比較すると格段と良い素材となっていることが分かりますね。

では、お次はゴミ補正の効果を見るために、F32の最小絞りでの効果比較をご覧下さい。
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イメージ 8

上に比べて、下の画像はゴミが驚くほどキレイになっていますね。
色むらもほとんど感じられません。きちんとした成功例をお見せすることが出来ました(^-^;



…さて皆さん、この記事を見て何をお感じになったでしょうか。

「フラット画像撮影時に、いちいちRGBの山なんて合わせてられるか!」

とかお思いの方も多いかと思います。私もその内の一人です。
今回は面倒ながらにも、ちょっとした秘密道具を使ってそれを行いましたが…、ひょっとすると

次期RAPに搭載されるフラット補正は、こんな秘密道具を使わなくても処理に成功する!…………かもしれません


どうです、欲しくなりましたか。
一家に一台どうでしょう。

皆さんの期待が高まれば、きっと実現化すると思いますので是非感想等聞かせて下さい♪


次回の記事も、また楽しみにしていて下さい。
出来れば実際に天体写真で、これを試してみたいですね。