2ヶ月振りにキャリブレーションを行ったので、レポートです。

まずは実施中の全体像です。(クリック拡大)

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PrintFIX PRO suite
という商品で、液晶モニタとプリンターの色ズレを改善することを目的に
2つのセンサーが同梱されています。普段私はこれを使って、あれこれやっています。


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こちらはプリントを実測中の写真。
生プリントの色転びが、センサーを置いてクリックするだけでLab値で瞬時に数値化されます。
プリントについては明日に置いておいて、まずはディスプレイを記事にします。


今回も前回同様、ターゲット(目標値)は
白色点 5050ケルビン
ガンマ 1.8
輝度  100カンデラ
です。印刷を意識した無難なセッティングにしています。

私の場合ソフトウェアキャリブレーションですが、ウィザードに従って以下のように
まずはハードウェア(液晶本体)の設定を手動で大まかに合わせ込みます。

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やっぱり2ヶ月も放置しておくと…
液晶の発色も色ズレを起こしてきていますね。
定期的にキャリブレーション云々…と解説書にはありますが、やはり間違いはありません。



なので、液晶ディスプレイ本体下部にあるボタンを押しながらRGBのゲイン値0~100を
それぞれ調整してはセンサーで測色…ということを繰り返して追い込んでいくわけです。
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こんなものでしょうか…大体ぴったり合いましたね。
写真のように、RGBそれぞれのレベルが同じ高さになるように追い込んで行きます。
また、輝度についても今回のターゲットである100cdに近づくまでブライトネスの
パーセンテージを上下調整します。
何故100カンデラが良いかということなんですが、それは液晶モニターとプリントを
横に並べた状態で写真を撮影して同じ明るさにするための最適値が、私の部屋の場合100カンデラ
付近だというわけです。

ソフトウェアによるキャリブレーションですが、上記のようなターゲット設定や目的に応じた
考え方、その他様々な要因によるヒューマンエラーが起きやすいことがデメリットにあげられ
ます。
また、ビデオカードを通じてガンマ補正をする際に起こる階調の損失も理論上では無視できな
い部分です。
私は何度もこれを試行錯誤してきたのでヒューマンエラーについてはないつもりなのですが
今後初心者の方がキャリブレーションモニターを購入されCMS環境を構築されたい際には

ソフトウェアではなく、ハードウェアキャリブレーション対応モニターを購入されると、楽な上高精度です。

私の機種はナナオのL885というモデルで、それが出来ないのが残念です。
次にもし買うことがあるならば、絶対にハードウェア制御にしたいものですね。

さて、キャリブレーションの開始です。センサーを液晶上から吊るして自動読み込みして
行きます。基本的に放置プレイです。

パラパラ漫画風に送って行って下さい。
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もっと細かいステップでRGB各色を濃度ごとにスキャンしていくのですが、雰囲気だけでも
伝わりましたでしょうか。
測色の所要時間は10~15分ぐらいでしょうか…。結構待たされますね。

最終的に、ここで生成されたプロファイルを常時パソコンに常駐させることで、色やコントラストが
常に正しく表示されるようになるというわけです。

明日はプリントについても触れてみたいと思います。


追記

お馴染みT-Fixさんからご質問を頂きましたので、早速回答します。


「1.EIZOのHPでのハードウエアキャリブレーションとソフトウエアキャリブレーションの違いを読むとソフトウエアキャリブレーションの場合PCのRGB値を減少させ合わせるため階調が減ってしまうと書いてありますが、よっちゃんさんの手順を拝見するとモニターの調整でほとんど合わせてしまうように見えます。この場合差は無いに等しいのではないでしょうか?」

私なりの意見を述べます。
今記事の上から3枚目と4枚目の説明画像で実施前と後を示しましたが、これだけ見ると…
「なんだ、ソフトキャリでも高い精度で色合わせが出来るじゃん。」
と思われるかもしれませんね。
しかし、ここで実施している内容というのは、あくまで
白色点の設定
のことです。
8ビットで言うところの(255:255:255)を「どんな色か定義する」という問題ですので
この作業がいくら高精度でもディスプレイキャリブレーション全般を網羅することはないでしょう。
これをトーンカーブで例えるなら、
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上記のようにハイライトのみの上下を補正をして白色のRGB合わせをしているに過ぎません。
これだけだと、中間域はパラパラですよね。



問題はこの白色点を合わせた後に行うことです。
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トーンカーブで表現すると、この補正がキャリブレーションの本題となります。
例えば赤なら、(R:G:B)=(0:0:0)(40:0:0)(80:0:0)(120:0:0)(160:0:0)(200:0:0)(255:0:0)
という具合に暗い赤から明るい赤までをモニターに表示させながら測色器で読み込んで行くわけです。
そうして、

理論値と実測値の差分を補正すること

がキャリブレーションですよね。

この作業を
①ソフトウェアによるキャリブレーション
②ハードウェアによるキャリブレーション
のいずれかで行うことになります。

①の場合だと起動するごとに作成プロファイルをビデオカードが読みに行き各色の補正値を
8ビットで処理しますが、補正値が強い程どうしても荒くなるので階調が犠牲になります。

②の場合は、ディスプレイ本体内でそれを行うため昨今の高ビット化に伴い、強補正をしてもなめら
かなグラデーション(グレースケールで顕著)が得られるようです。

さらに、LCD2690WUXiやCG241Wなどの高価なキャリブレーションモニターは、CMSを意識した製品ですよね。
出荷時のガンマ調整は、ほぼ完璧!と思われる程、補正カーブはほとんどリニアな一直線です。
T-Fixさんがいずれかをご購入されたら、eye-oneで補正カーブを表示させてみて下さい。
きっと気持ちの良い直線が出ることかと思います。
私のモニターでは、経年劣化も進んでいますし、きっと部分的に複雑な曲線となっているはずですよ。
それらの補正はすなわち、トーンジャンプやバンディングという現象を引き起こす要因ともなります。

なので正直言えば、これら高価機種を購入した段階で「すでに99%の調整は済んでいる」
とお考えになれば、より安心感も増すと思います。安価なモデルとの違いはここにあるのではないで
しょうか。もちろん、この記事のように定期的なキャリブレーションは必須でしょうけどね。