女性というもの


月面から眺める地球。

月に降り立ち眺める地球の姿には、きっと青くみずみずしい生命の息吹がある。

地球から見渡す海。

果てしない広がりを持つ海は、今日も邪悪なもの一切を飲み込んでいるだろう。

自然界の守護神は、今日も自分の持ち場にいる。

今やっと、守ることだけに精を尽くしている。


10年以上、もっと前、自宅でノコギリクワガタを飼っていた。

とっても暴れん坊のやんちゃクワガタで、ケースの中にいるその他のクワガタ達を

オスメス問わずとことん痛めつけ、皆の餌までをも独占していた。

そよ風抜ける真夏の午後、私は新鮮な空気を入れてやるためベランダに飼育ケースを

置きっぱなしにしていたことを数時間後に思い出した。

夕日に染まるベランダの鉄格子。

真夏の風情を感じさせる、ニッポンの夕暮れ。

クワガタ達は直射日光にやられ、皆ひっくり返って死んでいた。

あれだけ猛威をふるっていたオスクワガタも、あっけなくひっくり返って死んでいた。

オスの暴力、虐げられ疲れ果てた周囲の悲痛。

全てが、夢のあと。


女性というもの。

ダスキンを配達するおばちゃん。

若さというピークは既に過去の残像となってしまったが、それでもなお笑顔で配達を続ける。

息子を支え、夫とともに人生の平穏さを分かちあう。

女性としての限界を悟りながらも、生きる喜びをひたむきに探し続ける。

10年も前の話だが、そんなおばちゃんのガンでの忌報を母から聞かされる。

果敢にも、立ち向かったであろうダスキンのおばちゃん。

浮かぶのは、乾いては濡れる息子の頬。

うなだれた夫の背中。


生き物としての限界を知り、許し合う。

享受する広さや深さを有するもの、それが女性というもの。

大いなる母の海。

思春期の頃、海というものはもっと潔癖なものだと思っていた。

その間違いが分かりかけた今、より深く飛び込んで行けるような気がする。


yottyan_cryyagi


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