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主要生命保険13社の2015年3月期連結決算が28日、出そろった。売上高にあたる保険料等収入で、第一生命保険が日本生命保険を約1000億円上回り、戦後初めて通期で首位に躍り出た。日本生命が販売していなかった高利回りが見込める外貨建て年金保険の販売を伸ばしたことが要因。ただ本業のもうけを示す基礎利益は日本生命が首位を守った。各社の売上高は、相続税改正で節税対策に保険商品を活用する動きが出たことなどで日本生命を含む8社が増収。基礎利益も株式配当収入の増加などで11社が増益と前期に続き好業績が続いている。
 各社とも売上高、利益とも高水準を維持している。円安で外貨建て債券の利息収入が円換算で拡大したほか、株高で株式の配当金も増えたためで、運用利回りが契約者に約束した予定利回り(予定利率)を上回る「順ざや」を11社が確保。住友生命保険は「01年の開示以来、初の順ざや」(古河久人常務執行役員)となった。この結果、基礎利益は、明治安田生命保険が過去最高を更新。日本生命も07年3月期以来の6000億円超えを実現した。

 各社は好業績を受けて、個人保険、個人年金の契約者に対する配当金を引き上げる。三井生命保険を除く国内生保8社の増配額は合計約110億円となり、利益を配当に回す姿勢がより強まっている。富国生命保険の桜井祐記常務執行役員は「運用環境が悪化しても配当できる経営をしていく」と話す。
 ただ16年3月期は一転、ほとんどの生保が減益を予想する。国内債券の低金利が続くうえ、「過去に投資していた高利回りの債券が償還期限を迎える」(明治安田生命の荒谷雅夫常務執行役)ためで、円安株高も一服する可能性が高い。各社は外国債券などの比率を高め、利益を確保していく考えだ。