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 東証1部の騰落銘柄数は、値上がり69/値下がり1771と約95%の銘柄が下落。主力株は軒並み下落しており、急速な株安が嫌気されて三菱UFJや三井住友FGといったメガバンクを中心に金融株が軟調。自動車株の中ではマツダや日産自といった為替寄与度の高い銘柄が大きく値を崩した。月次好調のファストリも全体相場の下げを回避できず反落。東証1部の売買代金は2兆5258億円と6営業日ぶりに活況の目安となる2兆円を上回った。個別で買いが入ったところでは、メタンハイドレート関連で動意付いていた鉱研工業が連続ストップ高。水素関連の一角として宮入バルブに短期資金が向かった。一方、原油安の影響から国際帝石や石油資源開発が売られたほか、一正蒲鉾や池上通信機など直近人気化していた銘柄に利益確定売りが出た。

 昨年12月17日以来の17000円割れとなった。前回の局面では原油価格の急落が意識されたが、今回も原油安を引き金とした米株安の影響を受けた。米格付け会社ムーディーズによると、原油の平均価格が1バレル=75ドルで推移すれば、北米で油田開発と石油生産のための設備投資が2014年の水準から20%程度減少すると予想。さらに価格が60ドルを割り込めば投資額は30~40%縮小すると試算。石油開発・生産会社の売り上げが圧迫される公算が大きいとの見方を示した。エネルギー関連株の比率が相対的に低い日本株といえども、原油安のデメリットがクローズアップされてきており、恩恵を受ける代表格である空運株ですら上昇しにくい状況を迎えている。日経平均の下げ幅は昨年2月4日(610.66円)以来の大きさで、東証1部の売買代金は6営業日ぶりの2兆円突破と短期的には自律反発狙いの買いが入ったも良いタイミングとも思えるが、5日線と25日線のデッドクロス示現や25日線が横ばいから下向きへと変化し始めており、見極めが難しい局面といえる。

 6日の日経平均株価は大幅続落し、節目の1万7000円を割った。午前中に下げ幅が一時450円超まで広がったが、日銀の株価指数連動型上場投資信託(ETF)買いへの期待などで午後の取引開始直後にはいったん1万7000円台を回復した。しかし、買いは広がらず、前日5日のような後場に持ち直すというシナリオが狂った。結局、午後も後場寄り値が天井を形成する格好で、失望感を増幅させてしまった。

 原油安を背景に5日の米株式相場が急落し、東京市場もこの流れを引き継いだ。朝方から株価指数先物に売りが先行し、現物株にも波及。投資家のリスク回避姿勢が強く、東証1部に上場する銘柄の9割が下げるほぼ全面安の展開となった。個別では資源関連銘柄の下げが目立った。資源開発大手の国際石油開発帝石は6%安に沈み、三井金属や東邦亜鉛は4~5%値下がりした。

 5日の大発会も日経平均は100円超下げて始まり午前中は軟調に推移したが、午後の取引が始まってすぐに上昇に転じた。最後は小幅安で取引を終えた。日銀のETF買いへの期待感から買い戻しの動きが増えたのが一因だ。実際に、日銀は5日にETFを374億円買っていた。

 6日も同じような現象が起こるのでは、との見方もあったが期待外れに終わった。午後の取引開始時点の日経平均は1万6980円と、午前の終値より27円高く、直後には1万7006円まで上げたがその後は売り優勢で、結局後場の高値になった。終値は前日比525円安と下げ幅は約11カ月ぶりの大きさだった。午後に日銀が買っていたにしろ、それについて買いを入れる投資家が少なく、買い戻した投資家も再度売りを出したようだ。

 原油安は日本経済にとってはプラスの効果も大きいが、「資源国経済への不安を背景にした海外マーケットの動揺が落ち着くまで積極的な買いは入れづらい」(りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネージャー)との声も聞かれる。ギリシャ情勢への懸念も手控え要因だ。慎重姿勢の投資家が多いなか、日銀の買い入れ効果が不発に終わった。