NEC孫会社で従業員が8年で15億円着服

NEC子会社のNECネッツエスアイは1月17日、子会社のネッツエスアイ東洋で従業員による着服が見つかったと発表した。被害総額は数年間で約15億円に上る可能性があるという。
 NECネッツエスアイによると、この従業員は2005年7月ごろから、小切手の二重振り出しや不正な裏書きなどによって現金化する手口で着服。ネット競馬などのギャンブルに使っていたという。
 内部統制システムがあるにもかかわらず、銀行残高証明書の偽造や不正仕訳などで発覚を免れてきたという。昨年末に不明な売掛金が見つかり、独自調査で不正が発覚したとしている。
 今後、調査委員会で被害額の確定や不正を見抜けなかった背景の明確化、再発防止策などのコンプライアンス強化に取り組むとしている。
 不正が見つかったネッツエスアイ東洋は2005年5月、東洋通信機の一部事業を分離して設立(当時は東洋ネットワークシステムズ)。同年6月にNECネッツエスアイ子会社になった。紙幣読み取り装置や光伝送装置などの事業を展開している。


NEC子会社で363億円の架空取引、社員が一部着服
NECは3月22日、100%子会社のNECエンジニアリングの社員が約4年間で総額363億円の架空取引を繰り返し、このうち約5000万円を着服していたと発表した。
 NECによると、社員は書類を偽造し、仕入れ先、NECエンジニアリング、販売先の3者間で取引を循環させる手口で架空取引を行い、2002年3月から昨年12月までの総額は売上高で363億円、営業利益で93億円。売り上げの入金が販売先から予定通り行われていたことなどから気付かなかったという。
 同社は社員を刑事告発する方針。NECは連結財務諸表を2002年3月期までさかのぼって訂正する。NECは「社内関係部門が本来行うべき取引へのチェックが十分行われなかった」とし、NECエンジニアリングの組織変更も含めた再発防止策を行う。