急落から落ち着きを取り戻し、東京市場は、急落前水準を回復。米国のマイルドな景気減速指標を受け、再び利下げ期待が拡がっている格好。要するに、6月あたりのセンチメントになってきたということだろう。そういった点においては、何も変わっておらず、「米国は景気減速して利下げをするだろうが、景気は引き続き良好」といった感じで、所謂ソフトランディングが上手くいくという論点か。ただ、足下の数回の景気指標が都合の良い数字だからといって現実にそうなるかは未知数といえる。仮に想定どおり利下げがあったとして、一瞬は買われるのだろうが、それで終わりというわけではない。現在、市場は年末までに100bp、来年末までに200bpの利下げを織り込んでいるとされているが、良い数字が出れば、9月の50bpの利下げが実施されるかどうかもわからない。反対に想定以上に悪ければ、先日みたような光景が繰り返されることも。要するに、指標予想に対するブラスマイナスの水準で動くのが今の相場であり、どちらに転んでも、トレンドではない。
現在の水準は、インフレ下で、好景気を維持してきた米国経済がピークアウトし、どの程度の調整で着地できるかといったところ。もちろん、適切な金融政策で好景気が持続する可能性も無きにしもあらずだが、そのようにピンポイントで上手くいくことの方が稀だろう。そんな状況でも米国株は再び高値圏に入ってきており、バブル的な危機感の無さが伺える動きに見え、債券市場や為替市場の動きと比較すると違和感もある。もちろん、高値更新が無いとは言い切れないが、少し、冷静に対処する局面と考える。ボラテリティは多少低下したとは言え、潜在的なリスクは相変わらず高い。当面はリスク重視で考える局面だろう。
個人的には、日経平均の38000円レベルは売りたいところ。個別銘柄では、半導体株の上値は重そうに見えることから売り、買いについては、少し静観したいところではあるが、強いて上げれば、指数に劣後しているソニー、トヨタ、村田あたりか。
以上、個人的には、今は積極的に勝負するというよりは、リスクを調整しつつ、勝負しやすいタイミングを待つ場面と考える。