米国株・日本株共に揉み合いの動きとなってきた。幸いにもエヌビディアの動きは、根強い買い方の動きもあるようで、高値水準を維持している。全体的にも本質的にはあまり関係ないと思われるものの、日銀決定会合を来週初に控え、見送りムードも拡がっており、ちょっとした小休止といったところ。


少し掘り下げて見ると、未だ3月か4月かはわからないものの、日銀はマイナス金利解除はするのだろう。同時にETFの買い入れも停止する流れになるものと思われる。ただ、実態としては実勢金利は0.77程度であり、マイナス金利解除の影響はほぼないと言える。そういう意味では、正常化で銀行等の利益が著しく増加するようなこともないだろう。問題は、その先の金利動向となるが、足下の経済状況から見ると、継続的な金利上昇は難しいことから、この騒動も一過性と考えた方が良いだろう。そうした前提に立つと安易な銀行株物色については一考を要する。


次にハイテク株に目を向けると、期待は未だ高いと思われるものの、さすがにエヌビディア一択の動きは鎮静化するものと思われる。冷静に考えると、明らかに割高と言えるだろう。因みに、エヌビディアのPSRは37倍強、教科書的な見方をすると、0.5倍以下が割安で、20倍以上が割高とされる。確かに売上高は足下1年で倍になったがこのペースで増加するわけではない。AIに対する期待は続くものの、実勢が期待に追い付くのは簡単ではないと推察され、決算ごとに成長度合いを追いかけていくことになる。加えて、最近のエヌビディア株では同株のレバレッジ型のシングルストックETFの売買も盛んで、潜在的なリスクは益々高くなっているものと考える。いきなり人気が離散することはなさそうだが、十分注意して臨みたいところ。


最後に、戦略であるが、基本的には出遅れハイテク株を中心に押し目買いで対応したいところ。前述したように銀行株等は上昇しても限定的であると推察、ハイテク株の中での銘柄循環の動きを狙いたいところ。