シオニズムと核兵器
中東情勢が緊迫するなか、主要7カ国(G7)は11日、オンラインで首脳会合を開いたといいます。 そして、会合に出席した高市首相が、「イランに対して核兵器開発が許されないとの日本の立場を伝えるとともに、湾岸諸国のエネルギー関連を含む民間施設への攻撃や、ホルムズ海峡における航行の安全等を脅かす行為を日本として非難し、直ちに停止するよう求めている」と述べたとの報道がありました。 アメリカとイスラエルによる国際法違反・国連憲章違反のイランに対する先制攻撃には目をつぶり、イランの防衛戦を非難するのが、主要7カ国(G7)の立場なので、同調する姿勢を示したのだと思います。 だから、私は日本を含む主要7カ国(G7)のこの考え方は「西洋中心主義(ユーロセントリズム)」であり、非西洋諸国を差別する「オリエンタリズム」の考え方だと思います。 イスラエルのガラント前国防相は、ハマスやパレスチナ人を指して、「人間の動物(human animals)」、あるいは「人皮を被った家畜」などと語り、2023年10月、ガザ地区への「完全包囲」を命じた際には、「我々は人間の動物と戦っており、それに従って行動している」と述べているのです。 テオドール・ヘルツルの呼びかけに応じ、パレスチナの地に移住したユダヤ人が、旧約聖書の勝手な解釈で、カナンの地からパレスチナ人を追い出すようにして、イスラエルという国を建国したシオニズムの発想は、ユダヤ人が生物学的に問題のある人種なので絶滅させるべきだとしたナチズムの発想と変らないと思います。 だからガザ地区に対し、「ハマス殲滅」を掲げつつ、事実上、パレスチナ人殲滅・追い出しの攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相を中心とするユダヤ人は、たとえ戦闘が終わっても、ガザ地区やヨルダン川西岸地区のパレスチナ人を完全に自由にし、人権を保障することはないと思います。 そしてそれは、アメリカをはじめとする西側諸国が、これまで、イスラエルの数々の国際法違反や国連憲章違反を許容してきた結果だろうと思います ずいぶん前、「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」高橋和彦(講談社現代新書)から、”ユダヤ人をドイツ社会から排除するというナチスの発想は、ユダヤ人を集めてユダヤ人だけの国を打ち立てるというシオニズムの目標と相通ずるものがあった。シオニズムを裏返すとナチズムになる。ナチズムにはシオニズムのネガ(陰画)のような面があったわけだ。” という文章を取り上げたことがありますが、イスラエルの政治家や軍人が、ナチス・ドイツのホロコーストに苦しめられた過去の歴史に学ばず、パレスチナ人を一方的に攻撃したり、餓死させたりしている現実は、確かにナチス・ドイツを裏返した国際法違反や国連憲章違反だと思います。そんなイスラエルの国際法違反・国連憲章違反や今回のイラン爆撃を日本を含む主要7カ国(G7)が容認するから、私は、イスラエルが思うように安心・安全が得られないと判断したら、核兵器を使うのではないかと思っていました。 そうしたら、経済的不平等をアメリカが直面する最大の問題であると主張しているジョン・ジョセフ・ミヤシャイマー(John Joseph Mearsheimer)教授の下記のような動画がありました。 ミヤシャイマー教授は、もし、イスラエルが、イランを屈服させることができなければ、きわめて危険だと言っています。“If Israel were in a situation where it could not defeat Iran, that would be an extremely dangerous situation.”、 そして、イスラエルという国は、地球上で最も無情で人殺しな国家であるとも言っているのです。“There is no state on the planet that is more ruthless, more murderous than the Israelis.” また、降伏間近の日本に、自衛目的ではなく、攻撃目的で2発の原爆を投下したアメリカは、日本に原爆投下の謝罪をしていません。核兵器は、その余りの非人道性ゆえに、「人類と両立しえない兵器」と位置付けられているのに、アメリカの政治家や軍人が、原爆の使用は間違いだったと認めてはいないのです。 戦闘員と非戦闘員を区別しない「無差別攻撃」である原爆の投下は、間違いなく国際人道法の原則と矛盾します。ジュネーブ条約にも違反するのです。 明治維新の年にあたる1868年のサンクトペテルブルク宣言は、すでに「戦争の惨禍を可能な限り軽減する」必要性を謳い、無用な苦痛を与える兵器を禁止しており、核兵器はこの原則に反するのです。 現在のようなアメリカを中心とする西側諸国の「力の支配」を黙認していては、国際社会は再び破滅的な惨禍に見舞われると思います。危険なのは、中国やロシアではなく、アメリカやイスラエルであり、主要7カ国(G7)だと私は思います。 それは、世界中でアメリカ離れが進み、ブリックス(BRICS)や上海協力機構(SCO)が拡大してきた現実が示していると思います。John Mearsheimer warns Israel could use nuclear weapons if it lost Iran war