「 古事記 」以前

縄文時代は1万数千年続いたという

この時代
争いも対立もなく
憎悪も不足不満の心も無かった
女性中心の生活であった。

太陽様に代表される大自然に感謝申し上げていた

子孫を産み育てる女性は
ご先祖様の賜物と尊重された。

思いやりに満ち溢れた女性たちが
ご先祖信仰と大自然崇拝への感謝の祈りを主宰した。


やがて

海外から屈強な人たちが
日本列島に入ってきた。

渡来人たちは縄文人を駆逐し
縄文人と混血していった。

渡来人たちは
田畑を私物化して、民を支配し、農産物を貯蔵した。

資産なる物が生まれ、資産が資産を産み
権力が生まれた。

権力を巡り親子兄弟の争いも頻繁になった。

その繰り返しの果て
何とか律令国家となった。


律令国家を確立した天武天皇は
自分の正統性を確立するために
「古事記」「日本書紀 」の編纂を企画した。

「古事記」序には
「諸家のもたる帝紀及び本辭、既に正實に違い、多く虚偽を加ふ」とある。

つまり
諸説があったのに、都合良い物だけを採り上げ
それ以外は排除した。

「感謝の祈りの主宰者」は神となった。

皇祖の天照皇大神を男性にしたかったが
そこまで改竄することは出来なかった。

その代わり
伊邪那美命と伊邪那美命の結婚
国土生みの際、男性が先に女性にプロポーズするとして順序があるとした。

律令国家を確立するには
ご先祖信仰と大自然崇拝だけでは
民を治めることが出来なくなった。

そこで
民に罪穢れを祓う必要があると説いた。

縄文人に罪穢れが無いのは言うまでもない。

「古事記 」の原文はなく
それぞれの時代の権力者の手が加わっている

歴史は権力者によって造られる。
歴史はまた繰り返される。

力とは何か
国とは何か
人間とは何か
生命とは何か
私とは何か

縄文期の在り方こそが
すべてを包みこむのではないだろうか