私、まどさんの作品は
[映]アムリタとknowしか読んでません。

が、言おう。

野崎まどは鬼才である。

と。
凄いわ~、この人。
なんていうか、物語の着眼点が違うんですよ。

この作品の時代設定はほぼ現代です。
東京都と並ぶ「新域」を作ろうという計画が進み、神奈川県の橋本、相模原、多摩地区あたりを中心に経済特区というか・・・、まぁ、第三新東京市第二の東京的な街をつくろうという計画があります。
その計画はもう最終段階で、新域の長(東京都知事みたいなもの)を選挙で選ぶ段階まできてます。

・・・という大きな政治的な流れがある一方で、この物語の主役は正崎善(せいさきぜん)という、東京地検特捜部の検事さんです。
いかにも「悪いやつは許さない!」みたいな名前の彼ですが、その名の通り、自分が信じる正義に邁進する真面目な検事さんです。
正崎さんはある薬剤会社の不正を追っていたのですが、その捜査を進めるうちに最初からは思いもつかなかったような巨悪が姿を現してくる・・。

的なストーリーです。

何回もどんでん返しがやってきて、ジェットコースターに乗ってるような感覚です。
えっ?!上がったと思ったらそんなに下がる!?
え?まだ来るの?まだ来るの?!

みたいな。
もう、一気読みでした。
そして、めちゃめちゃ続きが早く読みたいんですが!
どうやら年明けに二巻出るみたいですが、間違いなく速攻買いますね、二巻。

タイガ文庫はライトノベルレーベルとして創刊された(と思う)のですが、このお話の主人公は妻子がある男性です。しかも特捜部の検事。
人物像だけだとどっしりとした警察小説のようにも思えますが、そこに近未来・・というか、新域という若干のファンタジー要素を入れてくる野崎さん、さすがです。

一巻を読んでいる限りでは、まだ、巨悪が本当に大きすぎて、ここからどう転がるのかが全く想像できません。
というか、いかようにも転がせそうです。

このお話、「正義」が一つのテーマになっている気がするのですが、野崎さんがそのあたりにどんな結論をつけてくれるのかも楽しみです。
個人的には「正義」は公に言えば言うほど胡散臭くなる言葉だと思ってますので。

何かの漫画か小説で読んだんだと思いますが、その通りだと思う言葉があって、

「正義」の反対は「悪」じゃなく、「正義」の反対は「もう一つの正義」

その通りだと思います。絶対悪は存在するのか?何を持って正義となすのか。
そのあたりの哲学的なテーマも絡みつつ、エンタメとしても面白い。

ちょっと本格的に野崎さんを追いかけようかなと思います。
それにしても、野崎さん、「天才」を書くのが好きだなぁ。
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