昭和46年式トヨタの“celica”(セリカ)。とてもカッコ良い。中古で300万円。平成18年式が50万円。普通なら年式が新しい方が高いのに。
今だに人気がある車である。だからこその価格だろう。

ある施設にデモンストレーションに行った。我が社で扱っている運転の適性があるかどうかをジャッジする機器である。実際にハンドルが付いており、画面を見ながらハンドルを握り運転をしてもらう。
担当の女性が、「私、やってみたい」と、申し出てくれたのでお願いをした。20代前半なのに皆を押しのけて申し出てくれた。
私としては大変ありがたく感謝した。
施設で働く方々に囲まれながらワイワイとした雰囲気の中、私は笑いを織り交ぜながら製品の説明をしていた。
誰かが「スピードの感じはどう?」と、女性に聞いた。
女性「セリカ、早いな〜」
画面に映る前方の車のテールランプは昭和46年式のセリカに若干似ている。
自ら率先して運転をする役を買ってくれただけあり車に詳しい。若いのに旧車のセリカを知っているなんて嬉しかった。
デモは上手くいき、だいぶ好評の様子であった。

片付けをしながら先程の女性と話すと実は運転免許を持っていないそうだ。 だから怪しい運転をしている場面があったと合点がいく。
しかし、聞くとその子の父は熱心な車好きでセリカに乗っているそうだ。
そして、その子の名は“せりか” だそうだ。
そういうことかと、改めて合点がいった。