世界共通の価値観として、1番尊いモノに “ 命 ” があがるだろう。
どの国でも殺人は犯罪である。
そんな当たり前の事に対して考える機会に出会った。
そらは上席者に勧められた映画を見てからである。
それは北野武監督の作品で 「HANA−BI」である。
命と“ 愛 ”を比べた時に愛が勝る事がある。映画の中で、主人公の北野武は愛のために人も殺すし銀行強盗もする。
それは余命幾ばくもない妻の為に、犯罪を犯してでも真っ直ぐに突き進む。愛の障壁は全て排除していく。最後は妻と共に命を絶つ。
太平洋戦争で零戦に搭乗した人はきっと死にたい訳ではないと思う。愛する人の為に今、自分が出来得る事が零戦への搭乗になったのだろう。
戦国時代での切腹もそうである。
命を賭してまでもする切腹には相当な思いがこめられている。責任、友情、愛情、筋や道理を通す為に腹を切る。
命を軽んじている事ではない。命の尊さはどの時代でも、どの国でも共通である。
しかし、時として、その命を誰かに捧げる事がある。
そこまでして誰かを思い、守りたいと思う気持ちは痛々しい程のエネルギーを感じる。
安楽死にしても、殺人だといえば殺人である。
しかし、安楽死が認められている国もある。
根底にあるのは、やはり愛だと思う。
日本で安楽死が認められたとして、私がその状況で判断をしなくてはいけない場面になった時に安楽死を選択するという判断ができるだろうか。
命と愛を比べる事は難しいが、時として愛と言うものがこれ程までに人を突き動かすのかと考えてしまった。
愛と言うものの持つパワーは計り知れない。