私は趣味で小説を書いています。
新作をここで発表してみます。
長編ですが、続けてアップするつもりもないので、
気長に読んでください。
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「マラケッシュで」
第1章: 出会い
過去に小説やエッセイを数冊発表し、地方紙やオンライン雑誌に連載を持つ千恵子の日常は、仕事の忙しさに追われていました。
彼女は42歳で、離婚から数年が経ち、現在は一人暮らしです。
その過去の離婚からくる孤独感が、彼女の心を時折、重く圧し掛かっていました。
儚い結婚生活を終え、彼女は新たな生活を築いていましたが、心の中には未だ淡い恋愛の憧れが漂っていました。
そんな日常を過ごす中、彼女は偶然の出会いに恵まれることとなります。
ある晴れた日、日々締切に追われる千恵子は気分転換にと、自宅を出て公園へ向かいました。
公園は緑の木々と色とりどりの花々が風に揺れ、美しい風景が広がっています。
穏やかな風が顔に触れ、木々の葉がそよそよと音を立てている光景は、彼女の心を癒やしてくれます。
公園のベンチに座り、一冊の本を手に取りました。
千恵子の容姿は、透明感あふれる美しさと独自の凛とした風格が調和しています。
鼻筋がすっきりと通った丹精な顔立ちの彼女の瞳は深いブラウンで、その奥には豊かな感情が宿っているように見えます。
微笑むと、その瞬間に周りに温かい光を放ち、周りの人たちを引き込む魅力があります。
彼女の髪は、自然なウェーブが流れるように整えられています。
また彼女の服装は白いブラウスにデニムパンツというシンプルなものでありながらも、その中に抜群の品位が漂っています。
彼女の視線は持っていた本から離れ、公園の向こうに広がる広場へ向けられました。
そこにはカメラを構えた青年が立っています。
彼は何かを捉えようと一生懸命にシャッターを切り、その姿勢は千恵子には熱心で真剣に写りました。
千恵子はその美しい風景と一緒に、青年の情熱も捉えようしています。
そして、彼はベンチに座る千恵子の存在に気づきました。
青年は微笑みながら歩み寄り、千恵子に声をかけました。
「こんにちは。素敵な日ですね。」
千恵子は微笑み返し、彼の親しみやすい言葉遣いに心よく応じます。
青年は隆という名前で、彼女と同じく美しい風景に魅了されていました。
彼のシャープな顔立ちとリラックスした雰囲気が彼を特徴づけていました。
彼の髪は自由な感じで、風に揺れながら彼のスタイリッシュなサングラスを引き立てます。
深い瞳は開かれ、周囲の景色を楽しむように輝いていました。
歳の頃は千恵子と一回りくらい下でしょうか。
隆はカジュアルなジーンズとシンプルなボタンダウンシャツに身を包んでいましたが、その余裕あるスタイルは彼の男らしさを十分に引き出していました。
微笑むと、公園の中で彼のリラックスした雰囲気がさらに際立ち、初対面の瞬間から千恵子の心を引き寄せていきました。
二人は自然と会話が弾み、この公園や自然の美しさについて語り合いました。
「この公園、本当に美しいですね。」
千恵子は言葉を交えながら、隆に微笑みかけました。
彼も微笑みながら答えました。
「そうですね、この風景は本当に素晴らしい。写真を撮っていて、自然の美しさにいつも感動しています。」
千恵子は感心しながら尋ねました。
「隆さん、自然の美しさを捉えるのがお好きなんですか?」
隆は自信を持って答えました。
「はい、自然の美しさや人々の表情を写真に収めることが私の情熱です。この瞬間の美しさをカメラを通して多くの人たちに伝えることが何よりも楽しいんです。」
千恵子は隆の情熱に共感し、しばらくの間、風景と隆の会話に身を任せていました。
そして、その会話の中で隆は千恵子が以前書いた公園にまつわるエッセイの一節を語っていたのです。
彼女は尋ねます。
「隆さん、実は私は物書きをしています。エッセイとか、小説とか。もしかして以前私のものをお読みになられたかしら?」
千恵子は自分の名前を彼に告げました。
隆は驚いたような表情を浮かべ答えました。
「えっ!あなたが!失礼いたしました。なんてことだろう!お顔を存じ上げなかったので分かりませんでした。先生の作品はいくつか拝読しました。風景と人間の感情を美しい言葉で描いていて、とても印象的でした。」
千恵子は彼の言葉に驚きと感激の表情を浮かべました。
「本当に嬉しいです。でも、先生はやめてください。千恵子さんで結構ですよ。ものを書くことは私の情熱で、読者の方に感動や共感を提供できることが何よりも素晴らしいことだと思います。」
その瞬間、彼らの会話は深まり、新たな繋がりが生まれました。
公園の美しい風景が彼らを引き寄せ、互いに共感し合うように心を開いていました。
隆は知らずのうちに千恵子の作品からインスパイアを受け、感情や風景を写真を通じて表現する美しさを教わっていたと感じていました。
そして、千恵子も隆の情熱と風景に対する愛情を通じて、新たな創作意欲が芽生えていくのでした。