ファシストのイメージは、相変わらずすこぶる悪い。ショッカーかジオンか悪の軍団か、みたいな言われ方をする。

しかも、右翼からは「軟弱もの」、「左翼」とののしられ、左翼や市民派からは「右翼」、「独裁や戦争が好きなんだろ」とすげさまれ、まさに踏んだり蹴ったりである。

ファシズムのイメージを悪化させた原因は確かに多々ある。
例えば、ヒトラーがおこなった民族差別や虐殺、無謀な戦争は、確かにファシズム史上最大の汚点であり、これらの行為はまぎれもなく人道に対する悪である。

しかしながら、ファシズムとはもともとの意味がイタリア語の「ファッショ」=「束」、「集まり」を意味する言葉であり、ファシズムの本来の理念は「共に闘う仲間」が「結束」する事である。

ファシズムというものの起源をたどれば、そんな悪いものではないという事がなんとなく解ってくるはずである。
また、高速道路やロケット、ジェット機、大衆向け自動車(フォルクスワーゲン)等、ファシズムが生みだした技術が現代人の生活に寄与しているのもまた事実である。

ではなぜ、一つの思想が「悪」と呼ばれるようになるのか?
それは、権力と結びついて変質してしまう事と、他者によってレッテルを貼られる事によってである。
共産主義はもちろんの事、民主主義でさえも権力と結びつけば変質してしまうのは歴史が証明している。
前者はスターリニズムへ、そして後者はネオリベラリズムへと。

また、悪名高いナチス・第三帝国はあの時代の世界で最も「民主的」といわれたワイマール体制のドイツから、「選挙制度による極めて合法的な」手段によって生まれたという事も歴史的事実である。
であるから、ただ単に「善」、「悪」という二元的かつ単純な観点で思想を判断すべきではない。

そして、第二次大戦後「戦勝国」と呼ばれている、アメリカ、イギリス、フランス、旧ソ連、中国は、ある事無い事全て敗北した枢軸国=ファシスト勢力に押しつけて、善人面をしているが・・・戦勝五カ国=国連常任理事国が世界中で行っている悪行の数々をみればいかに彼らが「偽善者」であるか解るはずである。

ファシズム=とにかく悪いヤツ、という誤解を解くという事は我々にとって重要な課題である。

であるから、我々ファシストはファシズムを実践する上で、たとえ他者が我々を毛嫌いしようとも、ファシズムの負の部分を認め反面教師とし、ファシズムの真の理念である少数派の「団結」という大義のために小義は捨てて、まずは他者への「歩み寄り」と「対話」をして行こうではないか。