車椅子生活になって4年 いつかは出来るようになりたい
と思っていることがありました。それは車椅子の前輪上げ
それも、ちょっとした段差を越える時に少し前輪を上げる様な
短い間隔のものではなく、停止して長時間前輪を上げて
後輪だけで前や後ろに走行する技 車椅子の方にはお馴染みの技だと思います
私はなかなかその技ができなくて・・
というか、車椅子生活1年目の時、何回かチャレンジしたんですが
一度思い切り後ろに転倒して後頭部を強く打ってしまいガチーン
(マットとか敷いてなかったの、もうっバカ~)
それ以来、恐怖心がぬぐえず、ずっと練習出来ずじまいでした
「こんな危険な技、出来なくたって生活していけるしぃ」と自分に言い聞かせ
あきらめていました 「まあまあ、いつかは出来る日がくるさ、(いつか?)
車椅子歴10年目までには出来るようになれれば・・」うんうん
とのんびり構えていました。4年近く封印していた、この技の練習
ところが、あきらめていたこの技を、再チャレンジしたくなる出来事がやってきました
昨年の12月に出場した中国の広州アジアパラリンピックの開会式で
車椅子の選手が、車椅子で超人的なパフォーマンス
を披露した時から
その技に私はくぎ付けに 前輪上げはもちろん、後輪だけで前や後ろに進み、
前輪を上げたまま、後輪だけで何度もぐるぐる回転しています。超高速スピンだ~
ひゃ~ 車椅子であんな技出来てしまうんだ
憧れてしまいました
翌日、ボート競技場や選手村で、前輪上げをやってみました。「えいっ」
力いっぱい前輪を上げますが、すぐに前輪がガタンと地面についてしまいます
何回かやっていると、ボート競技の先輩達がコツを教えてくれました
車椅子の先輩は前輪上げを簡単に出来、前輪を上げたまま走ったり
出来ることは知っていましたが、義足の先輩も車椅子をお貸ししたら
簡単に前輪上げを披露して下さいました え~すごい
毎日車椅子を使用している私が出来ないのに、
なぜ車椅子に無縁の先輩が簡単に出来るの~ リハビリで車椅子を使用されたようです
前輪上げって、私がそー思うほど難しい技でもないのかしらどうやら出来ないのは私だけみたい
そもそも私はリハビリというものをしたことがなく、自己流で車椅子操作を覚えたので
時折、それはそれは素人のような操作法に 距離感を誤り、柱にガツン
エレベーターの中から外に出るとき、鏡を見ながら後退しているにも関わらず、
扉に思い切り、「ドカンッ」 際どい段差を越えられず、
前輪が障害物にひっかかり、車椅子ごと転ぶ始末・・体が飛んだよ何回か・・
日本でボート競技練習時から、車椅子操作ではとんだ体たらくをさらし、
このパラリンピックで選手村滞在中、
とうとう、私についたあだ名が「車椅子アマチュア(命名:理事長Oさん)」
がーん、まさかまさかの不名誉なあだ名を いただく結果に・・
絶対にこの技を会得してやるう~ 先輩に後ろや前から、車椅子を持ってもらい
前輪を上げた時の、バランスの取り方、感覚を覚えるようにした。
日本に帰国する日、空港内でも私は人目をはばからず、前輪上げの練習をしてしまった恥
サポートは理事長のOさん、仲間が全員見守っています なかなか出来ません
私のすっぱい顔に、微笑ましい表情で見る先輩、吹き出しそうになる方
、さまざまな面々が
練習は帰国後も、バランスを崩し後ろに転倒すること5回
ある時、ついに「ひょいっ」と力を入れずに楽に出来るようになった
前輪を上げて、1分以上停止し、後輪だけで前や後ろに進めるようになったやった~
ボート競技のみんな~、先輩、私やっと前輪上げ出来るようになりました~
今年は「車椅子アマチュア」とは呼ばせませんよ~
毎日練習して、車椅子スピンを会得するぞお