前回お伝えした、“日本が抱える大不況の本来の理由”の続きになりますが、解りやすい例としてアメリカの自動車産業と一緒に説明したいと思います。G.M.,フォード、クライスラーの三大企業が経営危機になったのは、周知の事実ですが、これも根本的な原因は世界規模の不況ばかりではありません。一番の原因は、需要が無くなっているのです。燃費は悪く、故障が多く、デザインはダサい。ただ大きくて頑丈だ。今時、誰がそんな車を買いますか?実際に世界中、大多数の国で売れているのは、日本車やドイツ車、最近では韓国車等、です。皮肉にもアメリカ国内でも人気なのは中流階級以下では日本車、上流階級ではドイツ車が圧倒的です。つまり、何故三大企業が、経営危機なのかは、実は多くのアメリカ人が納得している事なのです。オバマ政権が、この三大企業を救済しようとして、多くの国民から反対意見が出た(今でも根強い。)のは、その為です。結果、支援を受けて生き残った二社が再び危機となった時、オバマ政権にとって致命傷となり、アメリカ経済も想像を超える状態に陥るでしょう。クオリティが低くて売れないアメリカ車とクオリティは高いが価格が高くて売れない日本製品という違いは有りますが、“需要が無くなっている”という点では残念ながら同じです。それと、“この状況を覆すのは非常に難しい”という点においても、残念ながら同じです。