翌日、浦島は竜宮城とこの世をつなぐ通路の前で、二人を待っていました。


しばらくすると、お腹が大きくなった豊玉姫と玉依姫が現れました。


浦 「豊玉姫…」


豊玉姫は浦島に気が付くと、嬉しそうに駆け寄りました。


豊 「あなた、会いたかった。。」


浦 「俺もだよ。」


豊 「お腹大きくなったでしょ。もうすぐ産まれるわ。」


浦 「そうだな。しかしどうして、こんなに時間がかかったんだ?あれから何年経ったと思っているんだ?」


豊 「えっ?あなたが去ってから、半年も経っていないわよ。」


浦 「何だって?」


豊 「あなたはずっと変わらずにいらしたの?」


浦 「あぁ…まぁ…そうだ!玉依姫。一緒に来てくれてありがとう。助かるよ。」


玉 「はい。お義兄様もお元気そうで何よりです。」


豊 「あなた。いつ産まれてもおかしくないの。お産をする家はどちらにあるの?」


浦 「その家なんだが、用意してないんだ。」


豊 「用意してない?どういうこと。」


浦 「いや 色々忙しくてな。これから作るんだ。」


豊 「これから、、、」


不思議そうに顔を見合わせる姉妹。


浦 「村の大工を集めて、急いで作らせている。なぁにすぐ出来るさ。」


豊 「そう。。では、私たちは今日どこに泊まればいいの?」


浦 「それが、私の家は今、父と母が体調が悪くて、泊まらせることができない。急いで産家(うぶや)を作らせるから、そこで寝泊まりしてほしい。必要な物は私が持っていくよ。」


豊 「そんな…」


浦 「急ぐよ。まず屋根が必要だな。鵜の羽根と萱(カヤ)を集めよう。」


玉 「あの〜これから鳥の羽を集めるの?葉っぱや木のほうが早くないですか?」


豊 「玉依姫。」


玉 「はぃ。。」


豊 「あなた。お産が始まったら、私の姿を見ないでほしいの。お願い。」


浦 「そうか、わかった。約束するよ。」


豊 「お願いね。」


そう言うと、豊玉姫はすぐに苦しみ始めました。