【転載】辺野古新基地/沖縄県民はなぜ怒っているのか/問われる日本の民主主義 | ロシア・CIS・チェチェン

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おいプーチン、チェチェンから撤退しろ!今ならまだ間に合うぜ by アンドレイ・バビーツキ

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3月7日の「オキナワ・フクシマ・大阪をむすぶつどい」で沖縄国際大学で平和学を教える西岡信之さんが「沖縄はなぜ安倍政権に怒るのか」と題して報告した。その要旨を掲載する。

<沖縄差別に怒り>
「世界一危険な基地」といわれる普天間米軍基地。10年前、隣接する沖縄国際大学にヘリが墜落する事故も起こった。普天間基地をなくすには辺野古に基地を作るのもやむを得ないのではないかと言われています。しかし、沖縄県民は怒っています。それはなぜなのか、お話します。

県民が辺野古新基地に反対するのには、まず沖縄戦の経験があります。4人に1人が犠牲になった。「鉄の暴風」と呼ばれた米軍の艦砲と空爆。「友軍」と信じた日本軍による住民虐殺。戦後70年経っても不発弾処理を毎日行っています。全部撤去するにはあと70年かかるとも言われています。

米軍の占領が1972年まで続き、その後も米軍基地は存続。米兵の犯罪が絶えません。なぜ国土面積の0・6%にすぎない沖縄に74%もの米軍占有施設が集中しているのか。沖縄差別だ。これ以上基地はいらない。これが県民の気持ちです。

95年の少女暴行事件と県民大会の後、日米両政府は普天間の全面返還を約束しましたが、いつのまにか「県内移設」の条件がつきます。

キャンプシュワブに増設される辺野古新基地は単なる普天間の移設ではありません。軍港を備えた最新鋭の基地なのです。豊かな自然を破壊して作られる埋立地は国有地となり、県には二度と返還されません。将来は自衛隊の海兵隊基地として使う計画も。キャンプシュワブは、日米両政府が山梨・岐阜から移転させたものです。本土の跡地は自衛隊の基地(北富士・各務原<かかみがはら>)として使われています。

昨年4つの選挙で県民は辺野古新基地反対の意思を示しました。1月名護市長選、9月名護市議選、11月県知事選、12月衆院選。民主国家であれば、当然選挙結果を受け止めるはずです。

<民意押しつぶす政府>
では辺野古現地はどうなっているでしょう。基地建設反対の翁長(おなが)候補が当選したにもかかわらず、年明けの1月15日、沖縄防衛局は工事を再開しました。稲嶺名護市長は「本当に民主主義国家なのか。憤りを超えて情けなくなる」と語っています。海上保安庁は11隻の大型巡視船を集結させ、1月20日には、「海猿」(海上保安庁職員)が女性映画監督を絞めあげる暴行に及んでいます。

翁長知事が動きます。1月26日、県警警備部長と第11管区海上保安部次長を県庁に呼びだし「県民36万人の思いが込められた抗議行動だ。この事実を心掛けて職務を」と釘をさしました。埋め立て承認の瑕疵(かし)を検証する第三者委員会を設置し、副知事を防衛局に出向かせ「検証委員会の作業が終了するまで作業中断」を求めました。

しかし、翌27日、防衛局はコンクリートブロック(ブイ固定用おもり)を投入し、サンゴ礁を破壊しました。2月22日県民集会の朝、ゲート前行動のリーダー山城博治さんが不当逮捕されます。米軍の民間警備員に拘束されたのです。

県は2月26日、サンゴの破損状況を潜水調査しました。岩礁破砕許可の内容と違うことが行われており、許可取消も視野に入れると翁長知事は表明しています。

菅官房長官の指示(2月25日)を受け、ゲート前テントの撤去が強行されました。防衛局は使っていたブルーシートを押収し、ニ度と設置しないとの誓約書を書かなければ返さないと言っています。

<居直り許さぬ闘いを>
最近、政府の発言・対応はひどくなっています。海上保安庁は在京マスコミを集め、過剰警備を報道した沖縄タイムス、琉球新報を「誤報」と言いくるめました。菅官房長官は翁長知事との面談予定を聞かれ、「普天間の危険性をどうするのか聞きたい」と政府の責任を転嫁。中谷防衛相は、市民の不当拘束・逮捕の事態に「逮捕は適切。くれぐれも自重を」と市民の抗議行動を問題視します。県の潜水調査に対しても、菅官房長官は「知事が代わって、一方的な調査で遺憾」、中谷防衛相は「制限区域内に入った。違法行為」と事実をねじ曲げて開き直っています。

辺野古の浜の県民大会に5500人が集まりました。東京でいえば5万5千人に相当します。沖縄県民はなぜ安倍政権に怒るのか。これだけ県民大会、集会を重ねても、24時間の抗議行動を続けても、選挙で答えを出し知事も県議会も市長も市議会も反対しても、なお基地建設を進める。日本は本当に民主主義国家なのかと問うているのです。辺野古新基地建設を「粛々」と進めさせるわけにはいきません。