大門句会勉強会その461 | sanshiroのブログ

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今回の兼題は勝山さん出題の「初嵐」です。
歳時記の説明を読むと、風の弱い順に、秋の初風<初嵐<野分(台風も含む)<台風、ですね。
先週は初嵐どころか台風が来ましたね。でもまだ京都には来ていません。〈台風を待ちくたびれて昼の酒〉

◇野里子
その下に南海トラフ初嵐
未だ来ぬ返信メール初嵐
⇒初嵐の地下には不気味な南海トラフが眠っている。災害列島日本ですね。
返信メールが長い間来ないのは気になりますが考えてみれば勝手に送ったのはこちらだから文句は言えない。その代わり初嵐が来た。

◇光
初嵐蝉の鳴き声はたと止み
初嵐買物籠に米袋
⇒風が強くなると蝉は確かに鳴きやむような気がする。
災害にそなえて買い出しでしょうか。気象庁の巨大地震注意が出てから米が店頭からなくなりました。

◇蒼月
夜も更けて雨音高き初嵐
御厨人窟(みくろど)に波砕け散る初嵐
⇒雨もともなって風が吹いているのでしょう。
御厨人窟は室戸市にある弘法大師ゆかりの洞窟。高い波が打ち寄せている。

◇さら
初嵐先づは鹿児島襲ふてふ
空蝉や大手拡げてブロックに
⇒これは台風のことですか。初嵐は台風と違って移動するような風ではありません。
蝉の脱皮は木の幹が多いですがこの蝉はブロック塀にとまって脱皮したのでしょう。必死にしがみついた様子がわかる。

◇夢路
白波の千切れちぎれし初嵐
トビ三羽ホバリングして初嵐
⇒あちこちで波がちぎれているのでしょう。結構強い風です。
強風のなかでトビが流されまいと羽ばたいている。

◇遊介
初嵐戸袋叩く夜半より
初嵐浜の足跡すべて消し
⇒夜に初嵐が来たのですね。語順をかえて〈夜半より戸袋たたく初嵐〉のほうが自然。
足跡を消すのは波だと思いますが、嵐の風雨が足跡を消したのでしょうか。

◇馬空
無住寺の裏は竹林初嵐
糸瓜忌や昼の牛丼大盛りに
⇒寺の裏に竹林があるのは普通なので発見がない。
健啖家の子規を思って大盛りのどんぶりをかっこむ。

◇はな
初嵐SL蒸気吐き出して
胸元のクロス揺れたる初嵐
⇒SLの白い蒸気が初嵐の風に吹き飛ばされている。
クロスのペンダントですね。クロスがゆれる程度だったら「嵐」とは呼ばない。

◇あかね
ベランダの鉢を転がす初嵐
引っ越し日初嵐吹く部屋の中
⇒鉢に植えているものにもよりますが風で倒れやすいですね。まして嵐ならなおさら。
部屋の中に風が吹き込んでいるのですか。こんな日は窓を閉めると思うけど。

◇勝山
鉢植えを取り込んで待つ初嵐
初嵐久方ぶりにラジオつけ
⇒初嵐は予測可能なのかな? 台風ならわかるけど。
テレビのない寝室などで気象情報が気になってラジオをつけた。

◇三四郎
お社の絵馬かたかたと初嵐
初嵐追はれるごとく川鵜飛ぶ